2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者が安全に実施できる新しい咽頭期嚥下リハビリ手技の評価
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15K12602
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小山 善哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (90253682)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 摂食嚥下リハビリ / 高齢者 / 認知機能低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
簡便で不必要な運動負荷が少なく、高齢者や認知症の方でも安全に実施できる“咽頭期”嚥下リハビリ手技の開発に取り組み、まず、ブローイング訓練用の誤飲防止ストロー2種類、中間部に市販の逆止弁を組み入れた訓練ストロー試作品と、逆止機能として中間部に直径2-3mmの穴を施した試作品を作製した。次に、臨床現場でのストローの効果の評価に先立ち、高齢者にも安心して応用するためには両ストローの呼吸器への運動負荷・負担の検証が必要と考えた。臨床現場で今後評価することも想定して、持ち運び可能なコンパクトな呼気圧測定装置を採用したいと思い、長崎大学医歯薬学総合研究科保健学科(東嶋美佐子教授)とサイエンスリサーチ社に協力いただいた。同科と同社の共同開発の簡易型積算呼気圧測定装置(特願2013-116848)は、市販の肺活量測定装置が測定行為自体が苦痛であるのに対して、検査自体の負荷が小さく肺活量との相関が高く高齢者や知的機能低下者にも使いやすい。高齢者や認知症患者を対象とした本研究のストロー評価用に適した機器と考えた。改良機が完成し、健康成人を対象とした誤飲防止ストローの呼気圧測定実験を現在計画中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、高齢者や認知機能低下者でも安心して咽頭期の嚥下リハビリブローイング訓練(コップに入れた水にストローをさして息を吹き込む)できるように、まず逆止機能付きのストローを開発することが重要な課題で当初困難が予想されたが、逆止弁の組み込みや中間部に穴を開けることで逆流防止機能をストローに設ける2タイプのストロー試作品の作製に成功した。さらに、同ストローが呼吸器への不要な負担が少ないことを評価する呼気圧測定装置も、長崎大学医歯薬学総合研究科保健学科とサイエンスリサーチ社の協力で高齢者に適した装置を準備できて、実証に臨める体制が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
逆止機能付きストロー試作品を簡易型積算呼気圧測定装置を用いて、従来の巻き笛等を用いたハードブローイング訓練に比べて、ブローイング訓練時の呼吸器への負担が少ないことが評価できれば、病院や施設等での高齢者や認知症患者を対象にした訓練の評価研究を推進したいと考えている。 ストローの形態はよりシンプルな方が量産でき現場で使いやすいと思われるので、市販の逆止弁を用いたストローに加えて、オリジナルの逆止弁を組み込んだ試作品の作製も必要と思われる。今後研究を進めるにあたり、人権の保護法令の遵守のために本学倫理委員会の審査に向けて準備している。
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Causes of Carryover |
当初予定していた嚥下訓練用ストロー開発のための機材費や研究打ち合わせ出張等が、予想していたより開発が順調であったため、費用削減できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度はストロー開発経費は削減できたが、次年度は臨床研究用のストロー作製や評価機器の購入等を計画しており、今年度と次年度助成金の活用を計画している。
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