2015 Fiscal Year Research-status Report
体育科授業研究のための授業分析用アプリの開発と効果の検証
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15K12627
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 悦示 筑波大学, 体育系, 准教授 (80272227)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 授業分析アプリ / 体育授業 / 授業期間記録法 / 教師相互作用記録法 / 校内研究授業 / 教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校体育の授業の質的保証をするために、体育科の授業における授業内容・学習過程、教師行動、学習活動等の授業データを、タブレット PCや携帯スマートフォンから簡易に入力でき、即時に集計・分析して結果を数値やグラフなどの視覚情報でフィードバックできるアプリを開発して、それを学校現場の体育科授業研究等に有効に活用する方法を実証することを目的とした。 そのため、(1)これまで体育科授業用に実績のある組織的観察法に対応する授業分析用アプリを開発する。(2)大学・大学院の模擬授業において開発したアプリを試験運用して実施上の課題を検討する。(3)研究連携している研究校での体育科授業研究を対象に開発したアプリを実用して教師研修における活用法を検討した。 平成27年度は (1)に関しては広く普及しているスマートフォン用OSであるAndroid版とiOS版があるが、本研究ではiOS版のアプリ開発をめざした。組織的観察法としては、体育授業期間記録法ならびに教師相互作用記録法を実行できるものとした。期間記録法は、授業場面を学習指導場面(I)、マネジメント場面(M)、認知学習場面(A1)、運動学習場面(A2)に分類して、それぞれの授業時間における割合や回数を記録できる。教師相互作用行動記録は、発問、励まし、フィードバック(肯定的、矯正的、否定的の3カテゴリーにそれぞれ一般的、具体的のフィードバックに分類)について、対象が全体、グループ、個人で記録することができる。 開発アプリの特徴は、授業分析中ならびに直後に随時、記録データを確認できること、また別途に授業映像データと合わせると、再生画面下に期間記録タイムラインと、集計結果が表示できるなどである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度のアプリ開発はいくつか修正点を加えながら試作を繰り返してきた。そのため、実際の学内や校内研究授業において実用には至らなかった。しかし、年度末には実用の目処がたち、28年度に向けて、試験的実用の段階に入ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は開発したアプリについて、「Lesson Study Analyst for Physical Education」と命名して試験的実用を開始する。まずは大学内での模擬授業に適用して、順次、研究協力関係にある小学校、中学校、高等学校の教員に配布して効果的な実施方法やその成果について検討する予定である。
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Causes of Carryover |
アプリ開発に予定よりも時間がかかり、実際の試験的実用を次年度に実施することとなり、そのための旅費や謝金の支出ができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実際の体育授業での試験的運用のための旅費および謝金として使用する。
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