2015 Fiscal Year Research-status Report
ストレッチングにより関節柔軟性が向上する機序解明と効果的なストレッチング法の考案
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15K12646
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
福永 哲夫 鹿屋体育大学, その他部局等, その他 (40065222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 直和 鹿屋体育大学, その他部局等, 准教授 (20420408)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ストレッチング / 関節柔軟性 / 可動域 / 筋硬度 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常生活やスポーツの現場において、関節柔軟性の向上や傷害予防を目的としてストレッチングが行われている。これまでの研究成果によると、ストレッチングを行うと関節可動域は広くなるが、その機序は、筋や腱の硬度変化ではなく、ストレッチング時の痛みに対する耐性の増加が主要因であるという見解が多い。しかしながら、従来の研究で用いられている筋や腱の硬さの評価法は間接的なものであり、重大な問題点がある。本研究では、最先端生体イメージング技術を用いることにより、関節柔軟性と直接関連がある筋や腱の長軸方向の硬さに対するストレッチングの効果を評価し、ストレッチングによって関節柔軟性が向上する機序を解明し、さらには、目的に合致した効果的なストレッチングプログラムを考案することを目指している。27年度には、健常な成人男性の下腿三頭筋(実験①)およびハムストリング(実験②)を対象に、ストレッチングによって筋は軟らかくなるのかどうか、また、軟らかくなるとすればどの筋が軟らかくなるのかについて調べた。実験①にて、膝関節伸展位にて下腿三頭筋の静的ストレッチを行った結果、腓腹筋内側頭は軟らかくなったが、腓腹筋外側頭およびヒラメ筋は軟らかくならなかった。実験②では、股関節屈曲位での受動的な膝関節伸展によってハムストリングの静的ストレッチを行った場合、ハムストリング構成筋全てが軟らかくなったのに対し、膝関節伸展位での受動的な股関節屈曲によってハムストリングをストレッチした場合、半腱様筋および半膜様筋は軟らかくなったが大腿二頭筋長頭は軟らかくならなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験はおおむね計画通り進み、成果発表(学会発表および論文発表)も行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進める。一方、新たな研究課題も明らかになってきたため、時間的余裕があれば研究計画以上の内容についても着手する。
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Causes of Carryover |
研究分担者の家庭の事情(妻の出産・育児休暇からの職場復帰、および、1歳児の育児)により、当初参加予定だった国際学会での研究成果発表を行えなかったため。 また、当初購入予定であった機器・消耗品は他の財源で購入することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
家族の承諾・協力を得て、国際学会での成果発表を行う。 また、研究をさらに推進するために研究員を雇用するための費用に充てる。
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Research Products
(5 results)