2016 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋磁気刺激による神経活性増強が最大筋力出力に有効か?
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15K12659
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
丸山 敦夫 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (80117548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峠 哲男 香川大学, 医学部, 教授 (80197839)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 最大筋力トレーニング / 2重TMS刺激 / 1.5msec 刺激間隔 / 2.0msec 刺激間隔 / 最大筋力の増大 / 神経可塑的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度ではMVC with TMS hybrid trainingが,右手最大ピンチ力をどの程度まで増加し,何日かかるかを検討した.被験者は刺激あり群と刺激なし群の成人男女各7名である.最大筋力発揮中に安静閾値強度による二連発経頭蓋磁気刺激(TMS)で1.5msec刺激間隔(ISI)と設定し,2秒間MVC時の1秒目に刺激を入れた.1日の最大ピンチトレーニング設定はMVC3回+1分間休息(1セット)で,4セットでセット間,5分間休息とした.その結果,1日おきトレーニング期間15日目で約32%増加した.その後,刺激あり群に刺激なしの追跡MVCを行った結果,さらに17日まで維持した.刺激なしでの最大筋力の定着は神経可塑性変化を示唆した(Ono K. Maruyama A.他,ECSS,大野,丸山他,第67回体育学会,第71回体力医学会,2016) 最大筋力出力とTMS刺激の組合せが運動野の短間隔皮質内抑制と短間隔皮質内促通による運動野興奮性変化を起こすかを検討した.刺激強度はすべて安静閾値とし,ISIが1.5msec,と2.0msecの2連発TMS,1発TMS,sham TMS(刺激なし)4種類の刺激条件で1日おき4回の最大ピンチトレーニングを行った.その結果,1.5msec ISIでは有意な最大筋力増加が見られたが,2.0msec ISI,1発刺激,sham TMSでは増加は見られなかった.さらに1.5msecのみが運動野の短間隔皮質内抑制低下と短間隔皮質内促通増加を起こした.2.0msecISIの短間隔皮質内促通は見られないことから,同じ二連発のTMS刺激でもこの間隔では皮質内促通を刺激することがないことが示唆された.結論として,最大筋力増大と共に神経可塑性変化が見られた (Maruyama A.et al, 2nd Brain Stimulation 2017).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間の研究期間であったが,二連発TMS刺激による最大筋力トレーニングの妥当性や信頼性ををもつ結果を導くことが重要であると考え,この2年目で行った.2年目で受動的なPAS刺激を事前に入れて筋力増強が起こるかを予定していたが,上記の理由でできなかったため1年の延長によってこの研究を実施する.
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Strategy for Future Research Activity |
本テーマである「経頭蓋磁気刺激による神経活性増強が最大筋力出力に有効か?」はおおむね有効であることが指摘された.しかし,まだ多くの課題があり,実践向けへの研究が必要である. この2年目では刺激法の工夫で2連発刺激による最大筋力トレーニングの妥当性や信頼性を確認して,論文作成につなげる方策を取る。2年目で受動的なPAS刺激を事前に入れて筋力増強が起こるかを予定していたが,できなかったため1年の延長によってこの研究を実施する.
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Causes of Carryover |
2年間で研究終了の予定であったが,本実験では二連発TMS刺激を取り入れた最大筋力トレーニングによる最大筋力の増大を導くことができたが、この実験結果の妥当性や信頼性を確認するする必要があり、今年度の実験課題が増えたため2年目で行った.予定では2年目で受動的なPAS刺激を事前に入れて筋力増強が起こるかを実験する設定にしたが,実験がトレーニング実験で多くの日数を要したため,今年度内にはできなかったことで1年の延長によってこの研究を実施することとした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ほとんどが、学会発表の旅費、人件費・謝金、消耗品として使用予定である。
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Research Products
(5 results)