2017 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of Athletes' Situation Judgment Ability by Working Memory Enhancement
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15K12661
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
高野 淳司 一関工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70413721)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 状況判断 / 経頭蓋直流電気刺激 / tDCS |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ選手にとって、状況判断能力の優劣は競技成績に大きな影響を与える。状況判断能力を構成するものの一つにワーキングメモリ(以下WM)があるが、これまでの研究において、WMの成績が高い選手は空間認知能力も高いことが知られている。しかし、スポーツ選手のWMが空間認知能力以外の状況判断の要素(選択反応時間、実行機能等)にどのような影響を与えるのかは明らかになっていない。WMは継続的な訓練を行うことによってその機能を向上させることが可能であるが、多くの時間を要する等の問題もある。しかし、近年、経頭蓋直流電気刺激(以下、tDCS)を頭部に与えることにより、一時的ではあるが短時間でWMが向上するという報告も多く見られていることから、本研究においてはボールゲーム経験歴10年以上、全国大会レベル以上の大会に出場した経験のある者を対象に、tDCSを右前頭前野背外側領域(以下、rDLPFC)に投射し、WMおよび状況判断に関する諸能力への影響について検討した。 その結果、tDCS投射後、状況判断に関する諸能力のうち、空間認知能力に関するテスト(メンタルローテーションテスト)の成績に向上が見られた。しかし、選択全身反応時間に関してはtDCS投射後、遅延することが明らかとなった。また、実行機能に関するテスト(ストループテスト)についてはtDCSの影響を見ることができなかった。 以上により、rDLPFCへの陽極tDCSは、状況判断能力の一部の要素(空間認識能力)には改善の効果をもたらしたが、一方で負の効果が現れた要素(全身選択反応時間)もあったことから、スポーツ選手の状況判断能力の改善にtDCSが有効か否かの判断は慎重にする必要がある。
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Research Products
(2 results)