2016 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of exercise under hypoxia on cognitive function
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15K12664
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
安藤 創一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50535630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 敬章 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (40343214)
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
須藤 みず紀 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (10585186)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動生理学 / 低酸素 / 認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一の目的は,低酸素環境下での運動が認知機能に及ぼす影響を明らかにすることであった.そして,第二の目的は,低酸素環境下において運動中の認知機能の向上がみられなくなる閾値が存在するかどうかについて検討することであった.本研究では,通常環境下(吸入気酸素濃度:0.209)および低酸素環境下(吸入気酸素濃度:0.12-0.13)において安静時及び運動中に認知機能を評価した.運動強度は最高酸素摂取量の50%とし,認知課題はGo/No-Go課題と視空間遅延反応課題を組み合わせた二重課題とした.その結果,低酸素環境下でも運動中にGo/No-Go課題における反応時間の短縮がみられた(Normoxia Rest: 1015 ± 315 ms vs. Exercise: 862 ± 208 ms; Hypoxia Rest: 1023 ± 228 ms vs. Exercise: 896 ± 236 ms, P < 0.001).しかし,低酸素環境下での運動中の動脈血酸素飽和度の低下と,運動による反応時間の変化との間に負の相関がみられた(r = -0.57, P < 0.05).これらの結果は,1)厳しい低酸素環境下であっても運動中に認知機能が向上すること,2)動脈血酸素飽和度が低下すると,低酸素環境下での運動中の認知機能の向上が弱められることを示している.一方,運動中の脳血流の変化や脳の組織酸素飽和度の変化と認知機能の変化との間に関係はみられなかった.これらの結果から,動脈血酸素飽和度の低下が,低酸素環境下での運動中の認知機能に影響を与える大きな要因であることが明らかとなった.
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