2015 Fiscal Year Research-status Report
個別性のある保健指導のための状態遷移確率に基づく健康プロセスモデルの構築
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15K12688
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
宮内 義明 中部大学, 看護実習センター, 助教 (70410511)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保健健康情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題の達成に向けて、次の1、2について研究を遂行した。 1.経年健診データのマルコフ過程を応用した時系列分析と状態遷移確率の算出: 某健診実施事業者にて経年で健診を受けた受診者の健診データについて、時系列として見たときの受診者らの健康状態の取り得る状態について検討を行い、健康状態の遷移がマルコフ過程に従うと仮定したときの健康状態間の状態遷移確率を算出する。受診者らの健康状態については、健診データの基準値に基づく2値化と、検査項目の因子分析に基づく論理和による16状態の健康状態表現を考案し、その健康状態間の状態遷移に焦点を当てて256通りの遷移確率を算出した。 2.受診者の状態遷移確率に基づく健康プロセスモデルの構築: 受診者の年代別に1.の状態遷移確率を用いて状態遷移の傾向を分析した。これにより受診者の年代が異なる場合には状態遷移の傾向も異なることが明らかになり、受診者への保健指導の際に、年代によって異なるアプローチが必要となることが示された。さらに、受診者の初期健康状態が異なることで、状態遷移の傾向が異なることも示され、状態遷移確率に基づく健康プロセスモデルのプロトタイプと呼べるものが構築できた。ここまでで得られた新知見について中間報告として学会(第3回看護理工学会学術集会、第35回医療情報学連合大会)での報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データヘルス計画における保健事業の大規模かつ年々増加するビックデータに対応し、健診受診者への個別性のある保健指導を行う上で、彼らがどの様な健康状態の遷移をしやすいのかを、多様かつ合理的な遷移モデルとして示す「健康プロセスモデル」の構築という本研究の目的の達成に向けて、本年度予定していた計画内容がほぼ遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、当初の計画通り健診データを格納するデータベースと、暗号化処理するデータ入出力システムの開発、及び健康プロセスモデルの状態遷移確率を自動計算・更新するシステムの開発を進め、健診データを取り込むほど精度と信頼性がより向上していく仕組みを実現し、「健康プロセスモデル」を健診受診者への個別性のある保健指導に活用できるものにしていくこととする。
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Causes of Carryover |
本年度に予定していたデータ処理補助等の人件費に関して、研究代表者にて実施ができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用計画における学会参加の費用として充当する。
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