2016 Fiscal Year Research-status Report
前駆脂肪細胞分化誘導能レベルによる思春期の健康評価と予後推定
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15K12702
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
玉江 和義 大分大学, 教育学部, 教授 (80341527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 雄 鎌倉女子大学, 家政学部, 教授 (40258629)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 思春期 / 酸化ストレス損傷 / 脂肪細胞分化誘導能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,思春期におけるヒト前駆脂肪細胞分化レベルと血清中 Reactive Oxygen Metabolites(ROM:酸化ストレス)および Biological Antigen Potentials(BAP: 抗酸化力)、総コレステロール、LDLおよびHDLコレステロール、TG、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、hbA1cなどの血清中生化学的指標に対し、それにかかわる影響要因であるライフスタイル全般、精神心理的健康レベルおよび主観的ストレスなどがどのような関連構造を呈しているのか、またその様態から肥満性疾患予防を踏まえた長期的健康予後を検討することを目的としている。 現在まで以上の変数についてデータ収集をし、その変量を継続分析してきている。酸化ストレス指標および生化学指標は非常に良好であったこと、ライフスタイルの中でも特に運動がそれに関係している可能性があることなどが、明らかとなった。この結果については、複数の学術学会大会にて発表し、学術英語論文として現在投稿しているところである。 また、ヒト前駆脂肪細胞の分化誘導レベル(脂肪細胞分化誘導能)が,BMI や中性脂肪(TG)の値を予測する可能性を見出した(学術英語論文として投稿中).このヒト前駆脂肪細胞による実験は、これまで継代しない細胞で行ってきたため、細胞を一回の実験で使い切るため、実験間の隔たりを考慮せねばならなかった。実験間の細胞条件を均一にするため、使用する細胞の培養・継代の方法を検討してきた結果、好ましい細胞の増やし方が把握できたこともあり、同一細胞を使用できることが確認できた。今後は、特に脂肪細胞分化誘導能レベルの測定に重きを置いた解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収集した検体の分析にはまだ時間がかかるが、研究遂行については、昨年からスピードが飛躍的に上がっている。とりわけ、培養細胞による分化誘導能実験が軌道に乗ってきている。これまでの成果の報告の一部として英語論文を2編投稿できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、安全・健康を間違いなく保持した標本の収集とともに、正確な研究を実施していく所存である。酸化ストレス関係の指標の測定および疫学的調査の分析は順調に進んでいるので、今年度も同様に進めていくことに加え、血清検体を用いた脂肪細胞分化誘導能レベルの測定・評価に特に注力したい。これら分析を滞りなく終え、学術論文の執筆および学術学会の発表を行っていく所存である。
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Causes of Carryover |
使用するヒト間葉系幹細胞の培養・継代実験が予想以上に良好な結果を得たことで、当初予定していた細胞の量を使用せずに済んだこと、また、これに伴い、これら実験・測定に必要としていた人件費が不要となったことにより、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、平成29年度に実施する前駆脂肪細胞分化誘導能の実験のための基礎培地や分化培地、あるい細胞継代のための必要品であるTrypsine EDTAやウシ胎児血清(FBS)などの購入費用として使用する。
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