2017 Fiscal Year Annual Research Report
Nutritional Regulations of metabolic syndrome
Project/Area Number |
15K12706
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
佐伯 茂 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60211926)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / メタボリック症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
体内時計は、睡眠、覚醒、血圧、体温、免疫という広範囲の生理現象を制御し、体内時計の破綻はメタボリック症候群を発症させる要因となる。体内時計に関与する研究は、遺伝学、生理学、細胞生物学などの分野で精力的に進められ、最もホットな研究分野の一つとなっている。体内時計のうち、中枢時計は視交叉上核に、末梢時計は全身組織に存在している。体内時計は、中枢時計と末梢時計のクロストークによって制御され、一方が破綻すると、もう一方が代償的に機能し、結果として体内時計の恒常性が保たれている可能性がある。体内時計の制御機構をヒトで直接的に検討すべきであるが、ヒトでの検討には限界がある。実験動物であるマウスやラットの遺伝子配列は、ヒトと高い類似性があり、これらの実験動物で得られる実験結果は、ヒトの体内時計を解析する上で、非常に重要な知見になる。申請者は、遺伝的にメタボリック症候群を自然発症する実験動物より肝細胞を分離し、次いで、この肝細胞を多様な細胞外マトリックスを含むEHSゲル上で培養し、時計遺伝子のサーカディアンリズムを検討した。EHSゲルを培養デッシュにコーティングすると、肝細胞の基底膜に類似した環境を再構築でき、EHSゲルをコーティングしたデッシュ上で培養した初代培養肝細胞は、肝特異的遺伝子やタンパク質の発現、ホルモンによる酵素誘導を、in vivoに近い状態で再現できる特性を有する。その結果、時計遺伝子Cry1、Per2、Clockのサーカディアンリズムが、正常ラットとメタボリック症候群モデルラットで異なることを明らかにした。実験動物の脂質代謝関連遺伝子のサーカディアンリズムに対する摂取タンパク質の影響を検討したところ,肝臓・小腸・白色脂肪組織・褐色脂肪組織における脂質代謝関連遺伝子のサーカディアンリズムが摂取タンパク質の種類によって異なることを明らかにした。
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