2016 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of regular exercise on obesity-associated liver cancer from the aspect of gut microbiota and lipid metabolites
Project/Area Number |
15K12709
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
大谷 直子 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 教授 (50275195)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 規則的運動 / 肥満誘導性肝癌 / がん予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんを予防できる可能性のある取り組みとして、規則的な運動に着目した。先行研究ではDMBAを用いた化学発癌のマウス実験系で、高脂肪食摂取による肥満により、30週後には肝がんの発症が促進することを見出していた。この実験において、マウスにトレッドミルによる毎日20分間の規則的な運動負荷を、15週間施した結果、体重変化はないものの、肥満誘導性肝がんの腫瘍形成数や大きさが有意に減少することがわかった。また、これまでに行った16SrRNA遺伝子解析で、肥満により腸内細菌叢が大きく変化することを見出していたため、運動負荷による腸内細菌叢の変化を調べた。高脂肪食摂取による肥満マウスでは、Firmicutes門のグラム陽性菌が著しく増加する(腸内細菌叢全体の40%程度増加)が、運動負荷群では非運動負荷群に比べて、Firmicutes門の菌叢が全体の10%ほど減少していた。肥満マウスでは発がん性が知られているデオキシコール酸の血中濃度が数倍上昇しており、グラム陽性菌を標的とする抗生剤バンコマイシンを投与したマウス群では、デオキシコール酸量が著しく減少していたことから、Firmicutes門のグラム陽性腸内細菌が主にデオキシコール酸を産生することが先行研究でわかっていた。興味深いことに、規則的な運動負荷により、血中デオキシコール酸量は有意に減少することがわかった。さらに、肝実質細胞に発現する胆汁酸トランスポータータンパク質の発現が、高脂肪食摂取で著しく減少し、規則的な運動負荷により、その発現が復活することを見出した。このことから、がん微小環境におけるデオキシコール酸のうっ滞が、肝がんの促進につながる可能性があると考え、今後その詳細を検討したいと考えている。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Gut microbiota promotes obesity-associated liver cancer through PGE2-mediated suppression of antitumor immunity2017
Author(s)
Loo TM, Kamachi F, Watanabe Y, Yoshimoto S, Kanda H, Arai Y, Nakajima-Takagi Y, Iwama A, Koga T, Sugimoto Y, Ozawa T, Nakamura M, Kumagai M, Watashi K, Taketo M. M., Aoki T, Narumiya S, Oshima M, Arita M, Hara E and *Ohtani N.
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Journal Title
Cancer Discovery
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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