2016 Fiscal Year Research-status Report
骨形成関連microRNAを包含したexosomeの開発
Project/Area Number |
15K12714
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 智広 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (30435854)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | exosome / miRNA / 骨芽細胞 / 骨細胞 / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
メカニカルストレス負荷処理の骨芽細胞(MC3T3-E1)および骨細胞(MLO-Y4)から調整したexosomeをそれぞれ通常培養している骨芽細胞に添加し,72時間培養後のアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定したところ,いずれの細胞から調整したexosomeを添加しても骨芽細胞の分化は確認できなかった。一方,3Dスキャフォールドに接着させた骨芽細胞にメカニカルストレスを与え,その後,MC3T3-E1から調整したexosomeを添加するとexosome無添加の群よりもALP活性が上昇した。この結果から,メカニカルストレスを与えた細胞から調整したexosomeは,メカニカルストレス負荷によって分化シグナルがONになった状態の細胞に対して分化を促進させる機能を有することが推察された。 また,メカニカルストレスMLO-Y4細胞から調整したexosome中に含まれるmiRNAのうち,高い変動を示したmiRNAの標的分子をin silico解析により検索したところ,骨芽細胞の分子よりも破骨細胞分化にかかわる分子が多かったことから,MLO-Y4細胞から調整したexosomeを破骨細胞分化モデル系での影響を確認することとした。現在進行中である。 分化関連miRNAのDDS材として用いるヒト歯髄細胞iPS細胞から分泌されるexosomeの基礎情報として,通常培養している骨芽細胞の分化を分化関連miRNAを未包含のexosome状態で促進することがないか検討したところ,骨芽細胞の分化促進は認められなかった。これにより,選定した分化関連miRNAを包含させたヒト歯髄細胞iPS細胞exosomeの機能確認が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in silico解析の結果,骨細胞のexosomeが破骨細胞分化にかかわる因子が標的分子としてあげられ,exosomeの機能を明らかにするための情報を新しく本研究により入手できた。事前計画では,骨芽細胞分化への影響を確認する予定であったが,破骨細胞分化への影響を確認することも加えて,次年度検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
骨細胞からメカニカルストレス負荷によって分泌されたexosomeに含まれるmiRNAの標的分子が破骨細胞の分化に関連する分子であったので,変動したmiRNAの前駆体やアンチセンスインヒビターを用いることで破骨細胞分化への影響を確認し,分化制御miRNAであるかどうかを同定する。 また,分化関連miRNAのDDS材として用いるヒト歯髄細胞iPS細胞から分泌されるexosomeへのmiRNAの導入やナノパーティクル製造装置を利用した分化関連miRNA包含小胞の骨芽細胞および破骨細胞分化への影響を検討する予定である。
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