2015 Fiscal Year Research-status Report
社会経済的要因の健康・学力に及ぼす影響と悪影響を軽減する要因に関する探索的研究
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15K12723
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山津 幸司 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (90299579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10382540)
中島 寿宏 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 准教授 (10611535)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育的配慮 / 社会経済的要因 / 学業成績 / 教育心理学 / 健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康日本21では「健康格差の縮小」を基本方針としているが、具体的に解決しうる先行研究は少ない。また、健康格差を拡大すると考えられている「社会経済的要因」を扱う研究は、プライバシーの問題などから測定できず我が国では殆ど普及していない。 しかし、近年では国内外のいくつかの研究成果より社会経済的要因と健康・学力が関連するとの報告も散見される。そこで、本研究課題では、1)社会経済的要因と健康・学力の関連性を横断的かつ縦断的研究に検討しその基盤的要因を明らかにするとともに、2)社会経済的要因の悪影響を強く受ける集団に着目し、その悪影響を軽減する“運動関連指標(体力、運動部への所属など)”の影響を探索的に解明し、従来の社会経済的要因の悪影響の「解明」から「解決」へとパラダイムシフトの実現を目指すこととした。 具体的には、平成27年度からの3年間で、以下の3つの研究を計画している。すなわち、中学生における社会経済的要因と健康状態・学業成績の関連性を横断的検討(研究1)、その集団を前向きに追跡調査し因果関係の解明(研究2)、研究2のサブ解析で社会経済的要因による悪影響を強く受けやすい集団に焦点を当て、“社会経済的要因の悪影響”を軽減しうる運動関連指標の探索(研究3)である。 研究初年度にあたる平成27年度には、北海道札幌近郊の公立中学1年生約1000名に横断調査を実行し、現在横断データ解析のためのデータベースを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象校との調査時期の調整が少し時間を要したため当初計画より少しだけ遅れて調査を開始することとなったが、当初計画していた中学生1年生約1000名の横断調査を完了することができたため、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、初年度の調査対象者に対し年1回の追跡調査を継続する。調査対象校は、追跡調査も含めて研究参加に了承いただいているため、問題なく進めていくことができると予想している。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が若干遅れたため、当初予定していた国内外での学会発表を実施できず、またそのための詳細な解析などを行わなかったことが最大の要因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度末に横断調査のデータベースが完成したため、予定していた研究成果の発表を行い、国内外の学会に出向き成果の公表を行う予定である。
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Research Products
(28 results)