2016 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギーを予防できる「ポジティブ・アクション」としての運動の可能性
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15K12731
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
椎葉 大輔 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 講師 (20515233)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 運動 / アナフィラキシー / IgE |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,OVA誘導性アナフィラキシーモデルを用いて,自発運動による抑制効果について,さらに検討を行った。方法として,C57BL/6Jマウスに対し,OVAおよび水酸化アルミニウム混合液を腹腔内に複数回投与し,OVA感作を行った。その結果,アナフィラキシー発症前の血液中IgEは,自発運動実施を実施したマウスにおいて,非運動マウスに比べ,低い傾向が観察された。このことは,自発運動の実施によりIgE産生が抑制される可能性を示唆するものであった。次にそれらマウスにOVA再暴露を行い,アナフィラキシーを誘導した。その際,アナフィラキシーの評価は直腸温変化を用いて行った。その結果,自発運動実施を実施したマウスにおいて,直腸温の低下が,非運動群と比較して,軽減する傾向が観察された。この結果は,前年に先行して行った結果を支持するものであり,この現象が再現性よく観察されることが明らかとなった。このことから,本研究の仮説である「自発運動の実施により食物アレルギー発症を予防・軽減できる」が,実験動物レベルでは実際に観察される可能性を示唆するものであった。また,その予防・軽減効果は,IgE抗体産生を抑制することでなされる可能性を示唆するものであった。最終年度となる次年度は,これらの現象の再現性をさらに確認するとともに,そのIgE産生抑制メカニズムについて,Th1/Th2/Tregなどリンパ球の評価から,明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自発運動装置追加など実験設備の再整備の遅れから,個体評価が当初予定より少なくなった。それに関連して,当初予定である腹腔/経口/経皮の各感作経路のうち,腹腔のみの実施となった。
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Strategy for Future Research Activity |
既に仮説を支持する結果を得ている。最終年度である平成28年度は個体評価を促進することで,極めて興味深い知見を得ることが出来ると考える。
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Causes of Carryover |
購入予定であった試薬について,評価個体数が予定を世少なくなったため,使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の同試薬購入に充てる予定である。
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