2015 Fiscal Year Research-status Report
聴覚環境と聴覚情報処理特性が自閉症スペクトラム児の学校メンタルヘルスに及ぼす影響
Project/Area Number |
15K12733
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
高橋 秀俊 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部, 室長 (40423222)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経科学 / 環境 / 医療・福祉 / 脳・神経 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム障害(Autism spectrum disorders: ASD)では、聴覚情報処理の非定型性(過敏・鈍麻)が社会適応に大きく影響することが知られているが、聴覚情報処理特性と聴覚環境変化が、ASDの学校メンタルヘルスにどのような影響を及ぼすかについては、よく知られていない。本研究課題では、児童の問題行動と関連の強いメンタルヘルス項目を自記式質問紙の質問項目として抽出した後、既に実験室における神経生理学的検査で聴覚情報処理特性や臨床特性の評価データのあるASD児や定型発達(Typical development: TD)児において、これらの質問項目と実生活における聴覚環境を連続調査することで、児童の聴覚情報処理特性に応じて高い学校メンタルヘルスにつながる最適な聴覚環境の同定を行うことを目的とする。自記式質問紙の質問項目は、連携研究者の長尾が学校メンタルヘルス事業で蓄積した調査から、児童の問題行動との関連が強いものを40項目程度抽出して決定する。平成27年度は、平成28年度以後の本調査で用いるメンタルヘルスに関連した自記式質問紙の質問項目の抽出のためのデータ収集を実施し、実生活における聴覚環境測定のため、腕時計型音センサーを用いて騒音の音圧レベルを測定する予備実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、平成28年度以後の本調査で用いるメンタルヘルスに関連した自記式質問紙の質問項目の抽出のためのデータ収集を実施し、実生活における聴覚環境測定のため、腕時計型音センサーを用いて騒音の音圧レベルを測定する予備実験を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本調査で用いるメンタルヘルスに関連した自記式質問紙の質問項目を決定し、ASD群ならびにTD対照群各群毎年15名を目標に、聴覚環境変化とメンタルヘルス項目の変化を調査し、これらの関連について検討していく。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] 自閉症スペクトラム障害児における聴覚性驚愕反射の特性とエンドフェノタイプ候補可能性の検討.2015
Author(s)
高橋秀俊, 石飛信, 原口英之, 野中俊介, 浅野路子, 小原由香, 山口穂菜美, 押山千秋, 荻野和雄, 望月由紀子, 三宅篤子, 神尾陽子.
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Journal Title
日本生物学的精神医学会誌
Volume: 26
Pages: 103-108
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