2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K12758
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
品田 哲郎 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (30271513)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞膜 / テルペノイド / 脂質二重膜 / 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜上には受容体、糖鎖・タンパク質などの重要な生体機能を司る情報伝達分子が提示されている。それらの機能解析は生命科学研究の重要な課題である。今回、細胞膜上の情報伝達分子の解析を飛躍的に向上させる試みとして、同じ膜環境において標的分子を操るアプローチを着想した。その実現に向けたファーストステップとして細胞膜上に安定に分子を固定化・提示するためのアンカー分子の創製を提案した。 具体的なアンカー分子として、合成前例のない一本鎖型の長鎖トランスイソプレノイド(trans-Long Chain Isoprenoid: t-LCIP)を選択した。H27年度は標的分子であるt-LCIP の合成法の確立に取り組んだ。ファルネソール(C15単位)の伸長法をC45の全トランステルペノイド、ソラネソールに繰り返し適用することによって、望むC75からC100のアンカー分子が合成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的としたアンカー分子の合成法が確立でき、この先のプローブ化と機能研究に向けての目途がたった。基盤となる分子が合成できたことで、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、アンカー分子の量的合成を行うとともに、1)t-LCIPのリン酸化、2)アンカー分子の蛍光標識化、3)リポソーム膜への影響(膜破壊作用など)を調べる研究へと駒を進めていく。
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Causes of Carryover |
継続雇用を予定してた博士研究員が転出したため、予定していた人件費分に差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の課題である、プローブ化および細胞やリポソームを扱うための試薬を新規に購入する。差額が生じた経費は、高価な蛍光プローブの購入や生化学実験を行うための器具・試薬購入のための経費に充当する。
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