2015 Fiscal Year Research-status Report
仔マウスの行動に対する雄生殖細胞の次世代継承エピゲノム変化に関する研究
Project/Area Number |
15K12764
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大隅 典子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00220343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 嘉一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50393161)
稲田 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60419893)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 父加齢 / 精子エピゲノム / DNAメチル化 / ヒストン化学修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
受精の際に生殖細胞から次世代に伝達される情報には、ゲノム情報に加え、DNAメチル化、ヒストンタンパク質の化学修飾、転写されたnon-coding RNAなどの多数のエピゲノム情報がある。我々は、父マウスの加齢により仔マウスの行動に変化が現れることを出発点として、その背景となるエピゲノム機構の探求を試みている。本年度は、「ゲノム支援」によって得られた精子メチロームについての解析を行った。若齢および高齢由来の精子ゲノム(2個体分)をWGBSにより、それぞれ2,548,898,494および2,539,963,474リードずつシークエンスを実施し、解析ソフトBismarkを用いて、UCSC genome browseのリファレンスゲノム配列(mm9)にマッピングした。若齢および高齢由来精子ゲノムのマッピング効率は比較的低く、それぞれ35~37%および29~43%であった。マッピングデータをもとに、Integrative genome viewerを用いてDNAメチル化を可視化した。また、若齢および高齢由来の精子におけるDNAメチル化の比較解析を実施し、高齢由来の精子において5,610脱メチル化CpG(4561遺伝子)と1,574メチル化CpG(1467遺伝子)を同定した。さらに、DNAメチル化の比較解析における染色体ごとの分布について検討したところ、その分布は一様ではなく、DNA高メチル化CpGについては、第2, 4, 5, 7, 11番染色体において多く、また、DNA低メチル化CpGについては、上記の染色体に加えて、第17番染色体においても多いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「ゲノム支援」により得られた精子DNAメチロームデータについての解析を行うことができた。これまでの先行研究より、仔マウスのUSVに関連する27遺伝子をリストアップし、その遺伝子領域におけるDNAメチル化について検討した結果、Foxp2遺伝子領域におけるCpGの高メチル化およびNeuroligin2、Neuroligin3、Oxytocin受容体遺伝子領域におけるCpGの低メチル化が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
DNAメチル化状態が異なるゲノム領域(DMRs)に関わると考えられる遺伝子について、仔マウスの各種脳領域における発現状態についてqPCR等の方法により明らかにすることにより、実際に加齢精子に認められるエピゲノム変化が次世代個体の遺伝子発現に影響を与えるかどうかについて明らかにする予定である。
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[Journal Article] Maternal dietary imbalance between omega-6 and omega-3 polyunsaturated fatty acids impairs neocortical development via epoxy metabolites.2016
Author(s)
Sakayori N, Kikkawa T, Tokuda H, Kiryu E, Yoshizaki K, Kawashima H, Yamada T, Arai H, Kang JX, Katagiri H, Shibata H, Innis SM, Arita M, Osumi N.
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Journal Title
Stem Cells.
Volume: 34(2)
Pages: 470-482
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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