2015 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病の病態を説明する大脳基底核スキームの提案
Project/Area Number |
15K12770
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅部 冬紀 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (60312279)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 基底核 / 線条体 / 淡蒼球外節 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳基底核の直接路・間接路スキームは、パーキンソン病に無動の症状があることは説明できても、突進歩行や振戦が生じることは説明できない。申請者らは、大脳基底核各領域の単一ニューロントレースを積み重ねることにより、直接路が淡蒼球外節に側枝を出すことなどを明らかにしてきた (Fujiyama et al., 2015; Koshimizu et al., 2013; Fujiyam et al. 2011; Matsuda et al. 2009)。今年度はこれに加えて、線条体投射ニューロンのうち、淡蒼球外節のみに投射するニューロン(以下、間接路ニューロン)は淡蒼球外節の周辺領域(以下、淡蒼球外節外殻部:カルビンディン陽性領域)に投射する(Fujiyama et al., in press)という所見や、視床線条体投射には線条体のストリオソーム領域を好むものと、マトリックス領域を好むものが存在する(Unzai et al., Cerebral Cortex, in press)という知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、神経回路の静的な解析を目的に、大脳皮質―基底核―視床ループの各ニューロンにおいて、ウイルスベクターおよびプラスミドベクター等を用いた単一神経細胞およびその投射様式の解析を行った (Fujiyama et al., 2015; Koshimizu et al., 2013; Fujiyam et al. 2011; Matsuda et al. 2009)。今年度はこれに加えて 1) 線条体投射ニューロンのうち、淡蒼球外節のみに投射するニューロン(以下、間接路ニューロン)は淡蒼球外節の周辺領域(以下、淡蒼球外節外殻部:カルビンディン陽性領域)に投射する(Fujiyama et al., in press)。 2) 視床線条体投射には線条体のストリオソーム領域を好むものと、マトリックス領域を好むものが存在する(Unzai et al., Cerebral Cortex, in press) という知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は機能的な大脳基底核スキームを確立するために、1) 直接路に特異的に発現するD1R CreマウスとloxPを組み込んだウイルスベクターを用いて、直接路ニューロンの側枝(図1A)が淡蒼球外節のどのニューロンを駆動しているのかを検証する。
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Causes of Carryover |
神経線維を特異的に可視化する免疫染色に用いる抗体に関して、目的に合致したものが複数あるため、どの抗体を用いるべきかの検討を多角的に行っていたため、購入が次年度にずれ込んでしまっった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は昨年度購入できなかったこの抗体を購入し、使用して、大脳基底核におけるドーパミン神経投射を特異的に可視化する予定である。
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[Journal Article] A Single-Neuron Tracing Study of Arkypallidal and Prototypic Neurons in Healthy Rats.2016
Author(s)
Fujiyama, F., Nakano, T., Matsuda, W., Furuta, T., Udagawa. J., Kaneko, T.
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Journal Title
Brain Structure and Function
Volume: 221
Pages: 4733-4740
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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