2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the notation system of Kike characters in Middle Ages Buddhism documents.
Project/Area Number |
15K12849
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
渡辺 麻里子 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (30431430)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 記家文字 / 記家 / 談義 / 談義書 / 談義所 / 天台 / 身延 / 論義 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の平成29年度は、記家文字資料の調査および分析をまとめつつ、成果発表に努めた。 調査としては、天台宗における記家文字資料の補足調査として、比叡山に所在する叡山文庫で調査した(10月)。さらに関係資料調査として、園城寺(滋賀・寺門派)における聖教調査を実施した(9月)。また調査分析のために、早稲田大学図書館における調査研究を実施し(6月)、関連情報収集のために、大阪府立大学で実施された中世文学会春季大会(5月)、国際シンポジウム「南都学・北嶺学の世界」(薬師寺・奈良県、6月)に参加・聴講した。 成果報告としては、国際学会で2件、国内学会で2件の発表を行った。具体的には、国際学会は、「法宝義林・第2回国際シンポジウム」(於)コレージュ・ド・フランス(フランス)にて、2017年10月11日に「天台の論義書および談義書について―『法華経』『三大部』の論義・談義を中心に―」という題で発表した。また「2017国際ワークショップ「写本一切経と刊本大蔵経」」(於)国際仏教大学院大学(東京都)にて、2017年7月29日に、「経典注釈における筆写文字について―中世日本の天台宗を中心に―」という題で発表した。前者は、天台宗以外の宗派の論義研究者が集まる会であったため、他宗の筆写文字についての意見をいただき、多くの知見を得た。また後者は、古写経の研究者が集まる会であったため、敦煌写本など、古代における筆写文字についての教示を得た。 国内学会では、「平成29年度・第59回天台宗教学大会」(於)大正大学(東京都)において、2017年10月27日に、「記家と記家文字」という題で発表を行った。天台宗の教学大会は「記家」の本家であり、様々な意見や反応を得た。また「第70回・日蓮宗教学研究発表大会」(於)身延山大学においても「天台の談義所と身延の学僧」という題で発表し、成果を報告した。
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