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2015 Fiscal Year Research-status Report

観相資料の学際的研究―マンガも視野に入れた古籍観相資料の分析と応用―

Research Project

Project/Area Number 15K12853
Research InstitutionNational Institute of Japanese Literature

Principal Investigator

相田 満  国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (00249921)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords観相 / 相書 / トピックマップ / 肖像画 / オントロジ
Outline of Annual Research Achievements

研究初年度は以下の研究活動を行った。①観相の実地踏査:東大阪市石切神社の占い商店街にて観相の実地調査を行い、連携研究者とともに観相についての認識の共有を行った。そのほか、横浜市において占い店の出店状況の調査を行った。
②データベースの充実:絵画の視点から観相を研究することを支援し観相の説を整理・分析するために、観相トピックマップデータベース充実を進めた。本年度は、観相言説の調査結果を充実させるために、青空文庫から観相に関わる言説データの蓄積を行い、あわせてルビ付加・観相のトピックの発生場所を地図上で表示させることを行った。反映されたデータは(http://topicmaps-space.jp/physiognomy/)から公開を行っている。
③観相データの応用研究:相書に記載された目・鼻・口・眉など各部位の図のそれぞれについて吉凶のフラグを付加し、各相書で記載されるデータに相違があるかどうかの検証を行った。具体的にはディープラーニングの手法を応用した分析を行い、結果として、データ蓄積量が増えるにつれて確実性が増すことが予測されることが判明した。このことにより児童人相判別の道筋が理論的には実現可能なことが実証できた。
④マンガにおける観相言説の調査:国会図書館から公開される近代デジタルライブラリーを中心に、著作権上の問題がないデータの収集を開始した。
⑤研究情報の交換と成果発表:観相をテーマとする研究情報の交換を連携研究者および研究協力者をまじえての萌芽的研究会として開催した。そのことにより、特に古典文学に現れる観相に関わる言説の新たな指摘が行われ、また、そのことについての認識がさらに深まった。特に、『南総里見八犬伝』における観相の記述については、馬琴の知識の源泉がいかなる書籍に由来しているかが具体的に分かる典型的事例として今後さらに調査を深めるに足る重要な指摘となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

総合研究大学院大学の萌芽的研究会の支援を得ることができた御蔭で観相をテーマとする共同研究会を持つことができた。また、統計数理研究所所属メンバーと共著による研究発表を行う事ができ、今後の研究の発展性についての以下の方針が定まってきた。
①具体的には、観相言説が近代・古典文学、記録などといかなる関わりがあるかについては、今後も共同研究を開催する機会を得ては継続的に進める必要があるということ。本研究はそのための組織づくりと情報共有の深化と位置づける。
②近年流行の、深層学習(ディープラーニング)手法の応用によるアプリケーション開発のために行うべき具体的なデータ作成作業の方針が固まってきたこと。
③観相の国際的比較研究については、共同研究会を開催した際にイタリア人、中国人の参会を得られる体制になってきた。
④古典籍に描かれた人物の絵を集積した「歴史的人物(古典キャラクタ)画像データベース」に収載されるデータについて、観相の観点で今後さらに分析を深めることで、これまでには指摘されることのなかった新たな発見が数多く埋まっていることがわかったこと。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の進め方としては、本研究が萌芽的研究であることをかんがみて以下の方針を進めることとする。
①情報処理技術への応用……データベースの蓄積による情報処理技術への応用と、そこからもたらされる新たなイノベーションの創出をめざす。現段階では相書の絵を蓄積し、それをディープラーニングのためのデータに資することで進めているが、そのにはデータ量がまだ不足していることが挙げられる。今後はまずデータ採取の効率化をはかるための具体的な工夫を模索したい。
②共同研究化の推進……共同研究会を開催することにより、連携研究者および新たな参画者の知見を集約し、その成果をまとめるための準備を進める。具体的には、展示とその解説を作成することをイメージすることにより、研究の内容を深め、また、社会的にその成果を還元するための知見の蓄積を進める。
③新たな視点への着目……動物観相学という言葉が西洋観相学で生み出されてきた。人相を動物の形質に見立て、その性質が人格に影響を及ぼしているという考え方である。これについては、東洋の人相学の影響を受けていることが予想される。このことを考える際に、東洋で描かれた動物がどのような絵で描かれているかについての分析を進めなくてはならない。その視点を進めるためには、基礎データの蓄積を進めなくてはならないが、今後の研究の進展のためにも、そのことを視野に入れた研究の発展を行いたい。
④データベースの充実……次年度は、観相トピックマップのデータ更新を行う予定である。あわせて、そのための応用研究の基礎データとなる「歴史的人物画像データベース」のデータの更新も進めたい。

Causes of Carryover

物品費については、所属機関のシステムの関係上、Windows10や8.1への対応が遅れてしまい、当該年度中の購入時期を次年度に持ち越すことにした。
システム開発については、観相トピックマップデータベースの構築に際して、初年度中にインターフェイスの改良等を行う予定であった。しかしながら、研究途上でディープラーニングに資するデータを新たに作成する必要が生じ、公開データベース用のデータの整備が追いつかないままに、研究成果を出すことの方を優先させる結果となってしまった。そのため、データベースのシステム構築については、次年度に傾注して進めることし、その結果、費用に余剰が生じることになった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前項にも書いたとおり、次年度はデータベースのインターフェイスの改良を行う予定である。具体的には、観相に関する言説・記事を古典に関わるものについても紹介するコーナーを加える。また海外からも参加者を呼んで共同研究会を催すこととし、その研究会の成果を展示あるいは論集に反映することが出来るよう、出版計画を立てたい。

Remarks

後者は発表者玉森聡が情報処理学会大会にて玉森が発表した際に使用したPPTファイルをアップしたもの。

  • Research Products

    (8 results)

All 2016 2015 Other

All Journal Article (3 results) (of which Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] サポートベクトルマシンを用いた自動人相判別の検討2016

    • Author(s)
      玉森聡・相田満・松井知子
    • Journal Title

      情報処理学会第78回全国大会予稿集

      Volume: 4F-05 Pages: pp523-524(2)

  • [Journal Article] 観相から見る日本文学史の試み 序説―特設コーナー展示資料解説から―2016

    • Author(s)
      相田満・高野純子
    • Journal Title

      国文学研究資料館紀要文学研究篇

      Volume: 42 Pages: pp207-235(29)

    • Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 観相資料の学際的研究―発展研究のための理論と可能性2015

    • Author(s)
      相田満
    • Journal Title

      情報処理学会論文集「人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん)2015)」

      Volume: Vol.2015.No.2 Pages: pp225-232(8)

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] サポートベクトルマシンを用いた自動人相判別の検討2016

    • Author(s)
      玉森聡、松井知子、相田満
    • Organizer
      情報処理学会全国大会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学理工学部(神奈川県横浜市)
    • Year and Date
      2016-03-11
  • [Presentation] 観相資料の学際的研究―発展研究のための理論と可能性2015

    • Author(s)
      相田満
    • Organizer
      情報処理学会論文集「人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん)2015)」
    • Place of Presentation
      同志社大学田辺校舎(京都府京田辺市)
    • Year and Date
      2015-12-20
  • [Presentation] どう使う?! データーベース―歴史人物画像(古典キャラクター)データベース を中心に―2015

    • Author(s)
      相田満
    • Organizer
      103學年度国文学研究資料館相田満先生專題演講
    • Place of Presentation
      輔仁大学(台湾台北)
    • Year and Date
      2015-06-29
    • Invited
  • [Remarks] 観相トピックマップ

    • URL

      http://tmap1.topicmaps-space.jp/physiognomy/

  • [Remarks] サポートベクトルマシンを用いた自動人相判別の検討

    • URL

      http://www.slideshare.net/akiratamamori/a-study-on-automatic-physiognomy-classification-with-support-vector-machine

URL: 

Published: 2017-01-06  

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