2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Externalizing Behavior by the Audience of American Popular Music
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15K12862
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
石崎 一樹 奈良大学, 教養部, 教授 (70330751)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教養 / ロックフェス / Tomorrwoland / SXSW / オルタナティブダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
タイトルを「ポピュラー音楽聴取者による文学的価値の外在化行動に関する研究」とする本研究ではこれまで主にアメリカに特異的に現れていたインディーロックを中心に調査分析してきたが、最終年度においては多様化する芸術表象における「インディー」的価値の表出を確認することを最終的な目的とした。過去2年間の調査を敷衍し、インディーロック以外の音楽ジャンルにおけるインディー的価値の表出について、台湾の高雄市で平成 29年7月に開催予定であった Unite Tomorrowland Taiwan と、平成30年3月にアメリカテキサス州で開催されたSXSW (South by Southwest)を取材した。 Unite Tomorrowland Taiwanは近年の音楽系フェスティバルの中でも活況を呈するダンス音楽を中心としたフェスティバルのひとつで、教養という点では「書物をひもとく」イメージをステージ上に取り入れているのが大きな特徴である。また、ダンス音楽が大規模化し細分化する中で、インディーロックなどと同様、Alternative Danceなどのインディー的価値を重視するジャンル細分化現象が確認されることから現地取材を予定した。現地到着後に台風のため中止となり取材の続行が不可能になったが、このテーマについては原則的に資料を用いることで研究の継続を念頭に置いている。 SXSWは従来から総合文化芸術フェスティバル興行の世界的な成功例として注目が高く、テキサス州オースティン市内の百数十カ所で、大企業によるデモ展示のほか、多くのインディー芸術が表出されるいわばインディー的価値の見本市の様相を呈する。特に音楽業界を中心に、マーケティング指標として使用されて以来久しい「インディー」的価値の表出また交換の場としては、現在最大規模の興行的試みであることが取材を通じて理解されたため、これを更に追究する。
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