2016 Fiscal Year Annual Research Report
A research for the origin of Japanese Sign Langugae in an isolated island
Project/Area Number |
15K12875
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
神田 和幸 京都工芸繊維大学, その他部局等, 研究員 (70132123)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 勉 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (80225044)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 手話 / 源流 / 未就学聾者 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は1.神田和幸, 「地域社会における聴力しょうがい者に対する手話による就労・生活支援:新潟県の事例」,京都工芸繊維大学COIヘルスサイエンスシンポジウム,講演発表 2016.8.22 2.神田和幸,手話の源流調査と手話歴史言語研究の方法の提案,日本歴史言語学会2016年大会,講演発表,2016.9.19の2件の講演発表により、成果を発表した。また3.神田和幸,日本手話の源流と変種の拡大,高見他編『〈不思議〉に満ちたことばの世界』上, 開拓社,pp.113-117, 2017に寄稿し、同著は多くの言語学者の目に触れることが予想され、本研究の成果が広く知られる機会となろう。 本研究はこれまで日本において研究されたことがない手話の歴史的研究であり、海外においてもあまり例がない。手話を歴史的に考察したモデルにより手話歴史言語学への道を拓いた。本研究の特徴は絶滅の危機に瀕している未就学聾者に焦点を当て、その言語的特徴を示した。これは学校において手話が習得されるという欧米の学説に対する反証として、将来必ず注目される。国内外において、学校内手話習得説が席巻しているのは、未就学聾者の手話は手話ではないという偏見が底流にあるからだが、それは手話が自然言語であるという主張と矛盾する。聾者は学校の存在以前から存在し、彼らも手話を使用していたはずだが、その手話が確認されなかったにすぎない。本研究では未就学聾者という学校以外で手話を獲得した人々の手話を収録し分析したが、日本では彼らは交通不便な地に住む後期高齢者であり、まもなく絶滅する。喫緊の研究課題であったが、一部の採録にどうにか間に合った。残念ながら継続的な研究資金が得られないため、mocapデータなどは採集できず、わずかな資料に留まったことが悔やまれる。
|