2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K12880
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
窪田 三喜夫 成城大学, 文芸学部, 教授 (60259182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠塚 勝正 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 非常勤講師 (40528775) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動機能 / 記憶 / 裸足 / 言語習得 / 非単語 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、重要視されるようになってきた運動が記憶に良い影響を与えるという観点から、運動機能が外国語記憶へ及ぼす影響を実証的に研究した。裸足が実際に記憶を促進させたという先行研究 (Alloway et al. 2016) に基づき、本研究では、7cmの幅の梁を用いて、無意味語の単語を暗記する課題において、その梁の上を靴をはいて歩く実験群Aと、裸足で歩く実験群B、さらに、裸足でつま先で歩く実験群Cの3種類に分けた。単語記憶では10の無意味語に関しその意味概念との関係を記憶した。Pre-test では、10の単語の単純記憶実験を行い、各被験者の潜在的記憶能力levelを確認した。 実験の結果、裸足で歩く実験群Bが極めてpost-test の結果が高くなった。逆に、靴をはいて歩いても、裸足でつま先で歩いても、その運動は単語記憶に良い影響を与えなかった。梁の上で裸足であることが利点である理由として、裸足であることで足元に集中し、足裏の血行もよくなり、その足元への注意力が大脳皮質へ影響を与え、理想的な歩行スタイルが全身運動として、記憶系にも 影響力がある点が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、言語記憶課題において梁の上を歩くという特徴的な実験を実施することができた。詳細なデータを取得するため、 3種類の実験群に分類することができた。Pre-test と Post-testを設定し、本研究の実験計画が滞りなく進んだ。以上の理由で本研究は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
言語記憶課題における運動実験群の実験内容と被験者人数を増加することにより、さらに信頼性のある結果を導く。 「机上の言語学習、暗記の強要」という従来型の教育アプローチではない、体の動きとgesture が言語習得に有効であり、長期的記憶に連結するということを明らかにするために、今後はgestureをする実験群とgestureをしない統制群にわけ、新しい未知語を記憶する際に、どちらが単語記憶の固定化が促進されるのかを探る。さらに、学習後、どのくらいのタイミングで運動をするのが記憶固定につながるかを検証していく。言語記憶における運動の効果度と言語記憶時のgestureの効果度を比較しながら、「体で言語を身につける」というHarold E. PalmerやJames J. Asherの教授法の原点に戻る実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、運動機能の負荷レベルを精密に計測するために必要な実験を施行しなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、生理学的に制度の高い運動機能測定とその言語機能との関連性に関して、データ分析するための資料収集とソフトウェアなどを購入費用の一部にあてる予定である。
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