2016 Fiscal Year Annual Research Report
Compiling English vocabulary lists using machine-readable dictionaries
Project/Area Number |
15K12889
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
園田 勝英 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 特任教授 (70113694)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英語語彙 / 機械可読辞書 / 語彙記述 / 英語語彙表 / 動詞分類 / LとR |
Outline of Annual Research Achievements |
英語語彙の基礎データベースとして Longman Dictionary of Contemporary English (3rd and 5th eds, 以下LDOCE) を採用し、Python を用いる最新のデータ分析環境である Jupyter Notebook 上で分析を行った。この結果、LDOCEの記述は言語学的に信頼性が高いばかりでなく、比較的新しい言語学研究を反映するものであることを確認した。特に動詞の記述については、個々の意味を基本単位として、意味ごとに当該の動詞がどのような項構造を取り、どのような統語的な枠の中に生起するかが明示的に記述されていることが分かった。このことは、Beth Levin (1993) などの diathesis alternation に基づく動詞分類を、LDOCEのみに基づいて遂行する可能性を開いた。また、動詞語彙全体の分類を試みた。複合動詞、接辞により派生された動詞、名詞や形容詞と同綴りの動詞、句動詞に参加する動詞などを量的に把握することができた。さらに、同族あるいは派生関係にある動詞と名詞の間の意味関係についても、分析を行った。この分析の副次的結果として、オノマトペや普通名詞から派生される、いわゆる「イメージに基づく」動詞群を同定することができた。この動詞群は、ラテン系の動詞でもゲルマン系の動詞でもなく、語彙表においても教育的にも別個に扱われるべき語群であることが明らかになった。さらに、L音とR音の対立についても体系的に調査を行い、日本人がこれらの音を区別できないことによってどのような影響を受けているのかを、辞書データに基づいて語彙的に明確にした。これらにより辞書情報の分析が教育用語彙表の改善に役立つことを実証した。
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