2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K12895
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山元 淑乃 琉球大学, グローバル教育支援機構, 講師 (50468071)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発話キャラクタ / アニメ / ポップカルチャー / インプット / 動機づけ / 言語適正 / 自己肯定感 / 語用論的能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
フランス人日本語学習者の日本語における発話キャラクタ獲得に関する要因とその背景について行ったインタビューをSCAT(Step for Coding and Theorization)により分析、考察した。また、日本人英語学習者の英語における発話キャラクタ獲得についても同様に調査、分析し、比較検討を行った。 これまでの調査と分析から、第二言語における発話キャラクタの獲得には、インプットの種類や量、母語話者との接触経験、言語適正(言語分析能力・音韻的能力・記憶力)、語用論的能力、動機づけの種類や強さ、発話キャラクタモデルの存在、自己肯定感、自己効力感といった要因が関わっていることが明らかになっている。 例えば、一部の母語話者に微妙な違和感を感じさせるフランス人日本語学習者Cには、幼少期からの日本のアニメの長時間視聴によるアニメの日本語の多量インプット、自己肯定感の低さに起因する「別キャラクタ」獲得願望などがみられた。一方、英語話者からその人物評に関して高い評価を得ている日本人英語学習者Aには、青年期における英語の歌の多聴という多量インプット、自己肯定感の維持、高い言語適正と語用論的能力が観察された。 関連研究として、発話キャラクタを表現するための、一般の日本人の語りの日本語からフランス語への翻訳について調査を行い、発話キャラクタを適切に表現するための翻訳には、フランス語としての正しさや自然さに捕われず、音を重視して翻訳することが必要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたインタビュイーの調査協力撤回などがあり少し停滞していたが、他のインタビュイーを見つけることが出来たため、おおむね順調に進展できている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに多くのインタビューを行い、様々な外国語学習者についてのケースを分析、比較検討し、普遍的な傾向を導き出す。
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Research Products
(1 results)