2016 Fiscal Year Research-status Report
データマイニング手法を応用したランデスクンデ・リソースの設計・構築
Project/Area Number |
15K12910
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 良子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20347785)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ドイツ語教育 / ランデスクンデ / 日本語教育 / 遠隔授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ドイツ語教育におけるランデスクンデ(Landeskunde: 地誌・文化)の取り入れ方を再検討するために、ドイツ語学習に有用な現在の資料を収集し、整理し、日本のドイツ語教員・学習者にとってより有益な情報を整理して示すことを目的としている。この目的のために、昨年度行った、日本で出版されているドイツ語の教科書に挙げられている文化項目の収集、抽出作業をさらに継続して行なった。その結果、昨年度と同様に、ほぼ全ての教科書にはランデスクンデの記述が見られ、その項目には偏りがあることが改めて示され、特に食文化、都市、芸術、スポーツ、生活などの項目が頻度が高いことがわかった。今年度は、ドイツでの研究協力者によるドイツ文化に関する文章の執筆や、ドイツ人日本語学習者による作文データの収集も行った。これらのデータを分析したところ、ドイツから見るドイツ文化と日本から見るドイツ文化との違いが浮き上がりつつあり、この点については継続して考察していく必要がある。また、本年度はランデスクンデを生かしたドイツ語教材の執筆も進め、『4ステップドイツ語』というランデスクンデを積極的に取り入れた教科書を郁文堂より出版することができた。平成28年7月には、ヨーロッパ日本語教育シンポジウムにおいて、インターネットを用いた日欧の遠隔授業に関する授業実践や問題点の報告も行なった。平成27年3月には、ベルリン自由大学においてJaF-DaF Forumを開催し、ドイツ語圏の日本語教育者と日本のドイツ語教育者との共同研究・情報交換の場を設け、日本・ドイツ語圏の教育者間で活発な意見・情報交換を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ランデスクンデに関するアンケート、ドイツにおけるデータ収集を行うことができた。最終年度に向け、データ分析、web上での公開などのための下準備が終了したと言える。また本研究課題の成果として、教材を出版することもできた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまでの研究のまとめを行い、国際会議での発表やwebサイトの構築など、発信面に力を注いで行っていく。
|
Causes of Carryover |
web構築のサーバーレンタル代、謝金等の費用を次年度に持ち越したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に速やかにweb構築作業に入る予定である。
|