2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the cultural resources of "Kai Kyo" and cosmopolitanism
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15K12931
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
俵 寛司 長崎国際大学, 人間社会学部, 准教授 (80463925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 眞理子 金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 特任教授 (90409582)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海境 / コスモポリタニズム / 移動・越境 / 文化資源 / 島嶼・海域史 / 東アジア / 東南アジア / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度(最終年度)、本研究の「ステージ2」として、8月8日~8月17日、小笠原諸島(東京都小笠原村)および関連地域(伊豆半島)における歴史・文化(民俗)・自然遺産等の基礎的調査を実施した。小笠原諸島では、父島での調査に加え母島での調査を実施し、伊豆半島では伊豆半島東部から南部にかけての調査を実施した。同年9月1日~9月3日、鹿児島県薩摩川内市において開催された2017年次日本島嶼学会甑島大会において研究発表を行った。 「海境」とは、「国境」以前の前近代の「境界」を分析するにあたっての概念で、「移動」や「翻訳」、トランスナショナルな「ネットワーク」のように流動的であるがゆえに統治権力が及ばない地域(アジール/無縁)の特徴が顕著な空間/海域のことである。本研究では、そのような特徴が顕著な地域(海域)についてコスモポリタニズムの視点から理論的考察のため、以下の3つの「ステージ」に分けてケーススタディを進めるものである。すなわち、ステージ1:日本海周辺の島々、ステージ2:太平洋周辺の島々、ステージ3:東南アジア海域の島々についての基礎的調査・研究である。 3年間の研究期間において、長崎県対馬・壱岐、島根県隠岐、韓国済州島、小笠原諸島、沖縄本島、ベトナム・トーチュー島に関する調査を実施し、さらに南九州、瀬戸内地方の島嶼・海域についても調査を実施した。それら研究成果については国際学会、国内学会で発表を行っており、当初の研究目標・計画はほぼ達成できたものと考える。 「海域」が重要なのは陸にある大きな市場をつなぐからであり、「海+陸」を常にセットとして考える必要がある。日本列島を含む東アジア、太平洋、そして東南アジアにおいてさらなる現地調査、理論的考察が必要であり、「日本とは何か」、ひいては「アジアとは何か」についての研究の開拓を目指して本研究を深化させていきたい
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Research Products
(11 results)