2015 Fiscal Year Research-status Report
日米安保体制と集団的自衛権の変遷━フィリピン・グアム・韓国を素材として
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15K12937
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
三浦 陽一 中部大学, 人文学部, 教授 (00199960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 信幸 中部大学, 国際関係学部, 教授 (40161278)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本現代史 / 安全保障 / 日米同盟 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は本研究の推進基盤となるアメリカと日本、フィリピン、韓国との軍事同盟に関する資料収集、分析及び整理を中心に行った。日米同盟に際しては、沖縄をはじめとする米軍基地の人員や軍用機、軍用艦などに関する基本情報の収集に重点を置いて取り組んだ。沖縄の米軍基地に関する動きについては先行研究が多くなされているものの、本土にある基地に関しては研究が希薄となっており、手始めに航空自衛隊 岐阜基地の基本情報及び運用に関する一次資料の入手に努めた。 韓国に関しては、安全保障に関する外交文書が原則非公開となっているため、朝鮮日報・中央日報・東亜日報など、韓国主要誌による報道を中心に基地施設の概要や移転計画などに関する情報収集を行った。韓国でも日本と同様に米軍基地の集約が進んでおり、アジア太平洋地域における米軍基地の位置づけの変容を把握することが出来た。 同年度は米国公文書館及び関連研究機関における研究調査活動を行う予定であったが、当初計画していた期間内で資料取集に当たるための前提となる射程を定めることが出来なかったため、次年度のできるだけ早期に調査活動を実施する方向で進めている。 フィリピンに関しては中国との南シナ海における緊張関係が高まっており、米軍が再駐留する方向で米国との同盟関係強化を図っていることから、当初予定していたクラーク空軍基地及びスービック海軍基地内部の様子を調査することが難しくなっている。よって、可能な範囲でアメリカ・フィリピン両国の公文書を中心に収集及び分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカのアジア・太平洋地域における安全保障政策は、中国の軍事力増強と南シナ海への海洋進出に伴い、大規模な転換を迫られている。冷戦期は旧ソ連と対峙する中でいかにして米ソ両国の軍事バランスを保っていくかに主眼を置いて、日本、韓国、フィリピン、グアムの基地整備が行われてきた。しかしながらロシアから中国へとアメリカの安全保障の軸足が移るとともに上記4つの国または地域における基地のあり方も大きく変化していることが一次資料や各種報道などを通して把握することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度でデータベース化した資料を基に、グアム・フィリピン・韓国並びに米国の関連機関における文献資料調査並びに研究者への聞き取り調査を行い、アメリカの安全保障政策における日本、フィリピン、韓国及びグアムの位置づけについて引き続き調査に当たりたいと考えている。
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Causes of Carryover |
米国における海外調査を行うことが出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
米国における海外調査を行うために使用する。
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