2015 Fiscal Year Research-status Report
欧文図書群の革新的研究手法の構築およびそれを用いた東アジア間の総合的研究
Project/Area Number |
15K12940
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
加藤 好郎 愛知大学, 文学部, 教授 (20748727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
木島 史雄 愛知大学, 現代中国学部, 准教授 (50243093)
山本 昭 愛知大学, 文学部, 准教授 (50269304)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | データーベース |
Outline of Annual Research Achievements |
愛知大学と香港大学の欧文書籍からみえる、中国を中心としたアジア観の総合的研究を進め両学間のプロジェクトを組織して行うことを目的としている。人文科学分野においては、その主題が示すように、相互の資料の同時的共有化を考え実施することは、歴史的な貴重資料や稀覯書が多いため、現物を確認することの必要性から相互協力ができない状態にある。計画が進めば同時に、多くの研究者に情報を提供することになり、その意味は大きい。さらに研究が進み情報提供の効率化が進めば、「ヨーロッパから見た当時のアジア観を探る」という目的に前進することができる。昨年度は、デジタル化のシンポジュームにて、関西大学アジア文化研究センター、カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館、さらにバチカン図書館アジア資料センターの報告とその全体討論に参加し、そのことでこれからの当プロジェクトの今後の方向性をさらに確実なものとした。今年度は、協働プロジェクトを実施する段階にはいるが、愛知大学および香港大学の原本の確認を実施する予定である。両大学の図書館の蔵書が、他大学および他機関と共有しているかどうかを中心に調査を行う。昨年度の研究実績としては、愛知大学の「竹村文庫」約900冊にについての他図書館および他機関との所蔵確認を行うことができたので、このことの成果に基づき、残りの検索(未デジタル化資料等)の実施と書誌的なレベルでの調査に入る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後、愛知大学図書館所蔵の「ライヒマン文庫」「竹村文庫」の書籍群約1922冊について、その目録にそって種別、目次、記述内容の分析とデータ蓄積に着手し、同文庫の相対的な特徴の考察を行い、その中で特に重要文献(他大学、他機関で所蔵していないもの)をデジタル化する予定である。今年度は、「竹村文庫」のうち約900冊を他大学、他機関での蔵書の有無の確認を行った。方法は、図書館情報学専攻の学生へ指導を行い、実際に書誌データベースの検索をさせ所蔵確認ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
書籍群の分析を行う。前年度からの分析とデータ蓄積を継続し、重要文庫から100冊程度をデジタル化しその結果を専門家の指導を受けて画像・電子データを蓄積する。同時に、「東亜同文書院大旅行誌」(大旅行誌)の訪問地の一覧データ化を行い、ライヒマン文庫、竹村文庫の欧人文献の記述との間で東西の視点の比較対照から考察も行う。香港大学との協働は、初年度のリストアップした「港大資料」、前述の「大旅行誌」を比較しながら、香港・日本の比較研究を開始し、香港大学にて研究会を行う予定である。
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Causes of Carryover |
27年度のデータベース検索で書誌事項の確認ができなかったため次年度使用額が生じた。①未デジタル化の資料を特定する。②電子版の特定を行う。重複電子化されているものについて、版、出版年、出版者(社)を特定する。原本提供した図書館名があればそれも記録していく。③「レイアイテム」の選定。すでに調査済みの「world cat」でみつからないものについて調査し、調査対象図書館のデータベース作りも調査、さらに優先順位を決め、国内、国外で見つかるまで調査する。④書誌情報の追加。言語、版情報など愛大の目録にないあるいは不備な情報を追加していく。⑤竹村文庫の特性。言語、出版年、分野の傾向とデジタル化されているものとの比較調査。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
書籍群を電子化して利用するための備品類(撮影、データ管理機器)。電子化の専門家の指導のために、旅費、謝金。電子化のアルバイトの業務委託。日本と香港の相互訪問調査の謝礼と旅費。学生アルバイトスタッフへの委託費。
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