2015 Fiscal Year Research-status Report
東欧世界の成立と日本:日本・東欧関係史の再構築と新たなスラブ・ユーラシア史
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15K12941
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
家田 修 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 教授 (20184369)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 両大戦間 / 東欧 / スラブ・ユーラシア / 日本 / 国際連盟 / 第一次世界大戦 / 平和条約 / 領土 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標はスラブ・ユーラシア地域形成に日本が果たした役割を提示することだが、出発点として東欧地域に軸足を置き、日本・東欧関係史を双方向から再構築すること、及び日本・東欧関係史を世界史的文脈の中に位置づけることが目指される。 初年度は1)研究会の立上げ、論点の整理、本研究に係わる研究内容をホーム頁上において公開すること、2)日本で開催される国際学会で問題提起を行ない、国際的共同研究網を組織すること、3)国内外の文書館で史料調査を行ない、公刊資料の再評価を行うことを掲げた。 1)について。「日本と東欧・スラブ・ユーラシア関係史研究会」を立ち上げ、三回の研究会を開催した。ホームページ開設は予算配分額の削減を受け、既存のホームページ(「スラブ・ユーラシア研究センター」、及び「スカラー・エラント」)上に研究成果を掲載することにした。2)について。平成27年8月の国際学会で問題提起を行ない、国際的な研究者ネットワークの組織化を開始した。3)について。ハンガリー国立文書館で本研究に関連する文書調査を開始した。東京大学、敦賀市、名古屋市等に所蔵されている資料調査を行なった。 以上の他にロンドン大学、及びブダペスト大学で研究報告を行い、国際的協力体制を構築した。また、シリア難民問題を機に、バルカンや中東研究者と国際シンポジウムを開催し、本研究を世界史研究と関連づける手掛りを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1)国際的協力体制の構築が予定以上に進行した。すなわち、日本での国際学会における呼びかけだけでなく、ロンドン大学とブダペスト大学において講演を行ない、より深いレベルで意見交換をすることができ、多くの協力者を得ることができた。 2)他地域の研究者との協力体制が構築され、最終目標である日本東欧関係史の再構築を世界史的な文脈に於いて検討することが可能となった。すなわち、欧州でのシリア難民問題の歴史的な解明を争点として、西欧、バルカン及び中東研究者と連携して平成27年12月及び平成28年3月に国際シンポジウムを開催し、今後、研究協力を始めることで合意した。 3)1)で構築した協力関係を基に平成28年度中に若手研究者の国際的な育成を図るワークショップを開催する企画が生まれ、現在はそのための準備を行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)当初の予定通り、平成28年度、平成29年度も研究会を積み重ね、継続的に東欧及び国内で文書館調査を行なう。最終的な研究成果を『東欧世界の成立と日本:国際関係上の知られざる日本外交の足跡』(仮題)として刊行する 2)初年度の調査で発掘した敦賀市での資料などをもとに、同市で東欧スラブと日本をつなぐ難民問題シンポジウムを開催する。 3)ロンドン大学やブダペスト大学との連携による国際的な若手研究者の育成ワークショップを開催し、本研究の将来的な研究の世界的裾野を形成する。 4)国際研究集会を開催し、本研究成果の検証と討議を行なう。
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Causes of Carryover |
残額20,535円は、平成27年12月に開催した難民シンポジウムへの招へい旅費を節約することができた為、生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額20,535円は、書籍購入に充てる。
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[Book] Catastrophe and reconstruction from a regional and humanitarian perspective: Chernobyl, Akja, and Fukushima, in Chatthip Nartsupha and Chris Baker eds., In the light of history2015
Author(s)
Osamu Ieda,Christopher Baker,Akira Nozaki,Eiichi Hizen,Yoshiteru Iwamoto, Chattip Nartsupha,Noriyuki Suzuki,Simon Bytheway, Pasuk Phongpaichit, Pornsan Watanangura, Takeko Suzuki, Pasuk Phongpaichit, Choosit Choochat, Plubplung Kongchana, Thippawal Srijantr, Achara Kringkasamsri, Chatriya Lertvicha, Pornpilai Lertvicha
Total Pages
295(123-144)
Publisher
Sangsan (Bangkok)
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