2017 Fiscal Year Annual Research Report
Emerging Eastern Europe and Japan: A new perspective from Slavic Eurasia
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15K12941
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
家田 修 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授(任期付) (20184369)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 東欧ロシア / 両大戦間 / 北ユーラシア / 国際連盟 / 杉原千畝 / 日露関係 / 植民地統治 / ピウスツキ |
Outline of Annual Research Achievements |
スラブ・ユーラシア(旧ソ連東欧)地域は第一次世界大戦、ロシア革命とソ連の成立、東欧諸国の独立という一連の世界史的出来事によって誕生する。同時期に日本は明治以来の近代化の中で帝国形成を明瞭に自覚し、有力なグローバル・パワーとして行動し始め、東欧地域は日本に強い関心を抱き、実際に国際連盟等を通して互恵的関係が築かれた。本研究では第二次世界大戦と冷戦により中断された日本・東欧関係を再構築し、スラブ・ユーラシア地域形成に日本が果たした役割を提示することである。 最終年度の本年は調査対象を文化芸術面に広げ、二回の研究会を行なった(越村勲「「メシュトロヴィッチと構造社:クロアチィアと日本の彫刻家たちをつないだ夢」、柴理子「「日本・東欧文化交流史への序曲:音楽家カテリーナ・トドロヴィチの足跡」。また明治政府がオーストリ・ハンガリーの植民地統治のあり方に関して抱いた問題意識に迫る「台湾総督府官僚の見たハプスブルクの植民地統治―『ボスニイン・ヘルツイゴヴイナ國拓殖視察復命書』を手がかりに―」(村上亮)が報告され、日本と東欧地域に関する関係史に新しい視角が提示され、今後の研究の発展に繋がる展望が開けた。ポーランド日本関係史に関してアイヌ文化の保存継承に関する調査研究について研究成果の取りまとめが行われた。 また杉原千畝研究に関連して両大戦間の日本が欧州大戦に強い関心を示していたこと、とりわけ当時の報道や旧制中学生の認識において東欧地域やスラブ・ユーラシア地域が一体として理解されるようになっていたことが明らかになった(家田修「杉原千畝の愛知五中時代-1912-1917年」)。 「1956年ハンガリー事件と日本・東アジア」に関する国際シンポジウムの成果の取りまとめを行なった。
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