2015 Fiscal Year Research-status Report
伝統的知識の利用と研究倫理に関する博物館資料論的研究
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15K12963
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
内田 順子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60321543)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 伝統的知識 / 博物館資料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,民俗文化を対象としておこなわれる調査研究および研究成果の公開の諸過程において,いかなる根拠と手続きで伝統的知識およびフォークロアを保護すべきか,国際的な議論の動向,日本国内の事例にもとづき検討する。そして,伝統的知識の実践者の人権と,研究者の表現の自由の権利の双方に配慮した調査・研究成果の公開のモデルを,民俗文化に関連する資料を所蔵する博物館の事例に準拠して構築することを目的とする。 初年度は,①伝統的知識をめぐる国際会議における議論の整理,②博物館における伝統的知識の公開をめぐる実務の調査・整理,を計画し,以下のとおり実施した。 ①については,世界知的所有権機構の議論を受けて行われている文化審議会著作権分科会国際小委員会における伝統的知識に関する議論について,文化庁および公益社団法人著作権情報センターがweb上で公開している審議内容から情報を収集した。 ②については,オーストラリアでの調査に先立ち,オーストラリア国内の博物館とアボリジニおよびトレス海峡諸島民の文化遺産に関する指針を確認し,国立オーストラリア博物館で開催されたオーストラリア先住民関係の大英博物館所蔵資料の里帰り展示「Encounters」を中心に,展示の巡見とともに,展示を担当した研究者へのインタビューをおこなった。また,映像や音声の取り扱いについても,オーストラリア国立視聴覚アーカイブの指針について調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画していた①伝統的知識をめぐる国際会議における議論の整理,②博物館における伝統的知識の公開をめぐる実務の調査・整理,について,おおむね計画のとおりに実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,①伝統的知識をめぐる国際会議における議論の整理,②博物館における伝統的知識の公開をめぐる実務の調査・整理,を軸に研究を実施する。
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Causes of Carryover |
2年目に予定しているカナダの博物館における伝統的知識の公開に関連した実務調査を強化することによって,勤務先機関が実施しているカナダ歴史博物館との交流協定に基づく研究と連携して,より充実した成果が得られると判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
カナダの博物館における伝統的知識の公開に関連した実務調査にあたり,ワークショップまたは研究集会を実施して,成果を可能な範囲で公開する。
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