2016 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental Study on Practical Integration between Law and Literature and Legal Education
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15K12984
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川嶋 四郎 同志社大学, 法学部, 教授 (70195080)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 法と文学 / 民事裁判 / 刑事裁判 / 民事訴訟法 / 裁判法 / 紛争処理 / ADR / 救済法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題である「『法と文学』研究及び『法教育』実践の基礎的研究」は、日本では、これまでほとんど論じられることがなかった「法と文学」研究を深め、その成果を基礎として研究結果を継続的に公刊するとともに、その成果を具体的に「法教育」(法科大学院における「法曹養成教育」を含む)の実践として生かすための諸提言を行い、中学・高校・大学・大学院等における「法教育」・「法学教育・法曹養成教育」のための諸資料を創発的に考案・公表し、現場の教育実践に供することを目的とする。 昨年度は、資料収集と分析研究に努めたほか、とくに、高校教育におけるこの種の教育の可能性を探究するために、教員へのインタビューのほか、高校教科書の調査研究を行った。また、特定の文学教材を用いて行う模擬授業のマニュアル作成の必要性を感じたので、研究論文とともに、その執筆も開始した。特に、高校教科書では、法や裁判の現代的なトピックは良く盛り込まれているものの、現代的なトピックが重点を占めており、法の体系や基礎理論の記述がかなり疎かになっていることが判明した。身近な文学作品を通じたこの種の重要領域のカバーは不可欠と考えた(抽象理論の教授では、初等中等教育では、困難を来すことが多いとの印象を得たからである)。 さらに、大学でも、「特殊講義(法と文学)」を開講し、年間を通じて、新たな角度から、法学教育の可能性を探究した。その際、学生から各種、要望等を聞きながら、双方向型の法教育の可能性も探究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先に研究業績の概要で言及したように、調査研究のための資料収集も順調に進んでおり、また、実践を通じて、その可能性を模索・検証しながら研究を進行し、さらに、高校教員・小学校教員等からのヒアリングや、教科書調査なども、進んでいる。また、大学の法学教育の局面では、具体的に授業を開校し、実践的な研究教育を行えており、さらに、論文執筆にも着手できてるので、(2)と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、最終年度であるので、研究の完成期・展開期・公表期として、それまでの研究成果をもとに、まとめの作業に本格的に取りかかりたい。特に、各種の研究会等において、研究成果を報告し、意見交換を行うとともに、これまでいわゆる「出前講義」で訪問した関西や九州の高校などにおける意見交換などを通じて、論文執筆、テキスト作成のための予備的な議論の機会をも持ちたい。
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