2017 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental Study on Practical Integration between Law and Literature and Legal Education
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15K12984
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川嶋 四郎 同志社大学, 法学部, 教授 (70195080)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 法と文学 / 民事裁判 / 民事訴訟 / 司法 / 法教育 / 司法改革 / 司法アクセス / 法曹養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題である「『法と文学』研究及び『法教育』実践の基礎的研究」は、これまで日本ではほとんど論じられることがなかった「法と文学」研究を基本的な視座として、それを基礎として、その研究を深めつつ、民事訴訟法を中核とする民事手続法学上の研究成果を継続的に公刊するとともに、その成果を具体的に「法教育」(法科大学院における「法曹養成教育」を含む)の実践として生かすことを目的とした。 なお、ここでいう「基礎的研究」とは、研究の礎を確立し実践的な展開に繋ぐ基層的な研究を含意していた。 本研究における3年間の研究成果として、研究面では、後述のような様々な論文と学会などでの報告や講演に結実し、また、教育面では、大学等の授業で、特殊講義の形式で「法と文学」の講義を開講し、毎年計600人以上の学生の受講者を得た。著書である、『公共訴訟の救済法理』や『民事訴訟法概説〔第2版〕』は、伝統的な民事訴訟法学の殻を破って、文学作品から得た知見をも視座に執筆したものであり、また、「日本における近時の『法科大学院問題』に寄せて」、「和解による訴訟終了判決と不利益変更禁止の原則等について」、「民事手続とコミュニケーション」、「民事紛争解決過程における簡易裁判所の役割」、「司法書士業務における『自助支援型モデル』のあり方」等の論攷も、文学作品から多大なインスピレーションを得たものである。 特に、後述のような民事訴訟法・司法制度に関する諸論文を公刊するなかで、本研究成果自体を貴重な資料として活用することもできた。しかも、海外発信として、後述の諸外国における研究成果の一端の報告も行った(中国の人民大学、ミャンマーのダゴン大学、フランスのリヨン大学、日本の早稲田大学、慶応義塾大学等)。今後、研究資金の提供を受けたことを心から感謝し、さらに、その成果を今後の研究に継続して具体的に生かして行きたいと心に期している。
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