2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neural correlate of cooperation and reciprocity in social context
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15K12987
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 淳子 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00251314)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 政治 / 社会 / ヒト / fMRI / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、当初の計画通り、研究成果を取りまとめ、公表、出版する作業を行なった。社会科学の分野ではほとんど行われていない社会政治的行動に関わるfMRI実験を行った成果を、脳神経科学の業績としての発表と公表を行った。研究会及び学会発表としては、日本神経科学大会(7月)、東京大学こころの多様性と適応の統合的研究機構シンポジウム(10月)、玉川大学ヒト脳イメージング研究会シンポジウム(9月)で、ポスター発表を行った。これは、再分配における平等の認識の背後にある神経過程が、福祉国家のような大きな政府の役割を期待するか否かによって、異なることを示したものである。こうした研究集会に文系の側から発表を行うことは稀であり、多くの有益なコメントが得られた。その後、さらにデータを精査し、学術誌に投稿する論文を準備を行った。 論文の出版としては、再分配の際の平等原則の決定に関わる脳神経過程が他者への共感とともに、まだ生じていない状況への心理の投与に関わることを初めて実証した論文が、Scientific Reportsに掲載された。これも理系の国際学術誌に文系の研究者が投稿を行った稀有な例である。また、政治的行動の理解や分析において、政治学と脳神経科学がどのように方法と実証において共同できるかについて論じた論文が、日本政治学会年報に掲載された。文系の学問である政治学においても、理解可能な形で研究結果を紹介し、異分野融合プロジェクトとしての成果となった。
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Research Products
(5 results)