2015 Fiscal Year Research-status Report
第一次世界大戦期の世界的「人の移動」に関する基礎研究:アジア・欧州間関係を中心に
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15K12995
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奈良岡 聰智 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90378505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 克彦 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (10378515)
上田 知亮 東洋大学, 法学部, 准教授 (20402943)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 第一次世界大戦 / 捕虜 / 抑留 / 難民 / 留学 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一次世界大戦は、「人類初の総力戦」「現代の起点」とされるが、それまでの「人の移動」のあり方を大きく変えたという意味でも画期的な戦争であった。本研究は、大戦期に発生した大規模な国際的「人の移動」のうち、従来明らかにされてこなかったアジア・ヨーロッパ間関係に焦点を当て、解明を行うものである。 本年度は、国内・海外における資料調査を広汎に実施し、今後の研究の基礎となる一次史料(新聞、雑誌、公私文書)を収集した。日本国内では、国立国会図書館、外務省外交史料館、防衛省防衛研究所図書館などで史料を収集した。海外では、奈良岡、梶原がイギリスで在外研究の機会を得たのを利用し、英国公文書館、大英図書館、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス図書館、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン図書館などで史料収集を行った。また、未公開史料「岡部長景関係文書」の整理を進め、主要部分を翻刻・校訂し、解題を付した『岡部長景巣鴨日記』として公刊した。 研究代表者(奈良岡)は、オックスフォード大学(イギリス、2015年11月27日)、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド、2016年2月4日)、ルーヴェン・カトリック大学(ベルギー、2016年2月25日)、バルセロナ国際問題研究所(スペイン、2016年3月10日)、ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学(イタリア、2016年3月17日)において第一次世界大戦と東アジアの関わりについて講演を行うとともに、各国の研究者と議論や意見交換を行い、最新の研究状況の把握に努めた。また、2015年6月20-21日には京都大学において国際ワークショップ「第一次世界大戦と東アジア」を開催した。現在これらの成果を基礎として、論文集を出版する準備を進めている。 この他、史料調査やワークショップなどで得られた知見を踏まえ、奈良岡、梶原、上田が個別の成果を学術論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由により、概ね順調に進展していると判断している。 ①各機関における資料調査を、予定通り実施することができた。 ②予定していた未公開史料の整理も順調に進み、史料集を出版することができた。 ③国際ワークショップを予定通り開催し、論文集の出版準備を進めている。 ④当初予定していなかった海外における研究成果の公表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度の成果を踏まえ、論文・著書の公刊、海外における研究成果の公表をより積極的に進めていく。また、本年度中に論文集を出版する予定である。
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Causes of Carryover |
2015年6月に開催した国際会議および2015年8月~2016年3月の在外研究中に行った史料収集活動に多額の経費を要したため、次年度分の使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は50,632円と大きな金額ではないため、予定を変更する必要はない。当初計画通りに研究を遂行する予定である。
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Research Products
(16 results)