2015 Fiscal Year Research-status Report
米国の保健外交政策における民間財団の影響に関する研究
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15K13001
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
野口 和美 神戸女子大学, 文学部, 教授 (70552925)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際保健外交 / 民間財団 / ガバナンス論 / 開発援助 / 官民連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は国際保健外交に関する文献調査を中心に実施した。米国大統領緊急エイズ救済計画(PEPFAR)における民間財団の役割について、開発途上国、特に、アフリカ諸国に対する保健援助資金においては、世界エイズ・結核・マラリア対策基金への拠出額が、先進国を含めた統計によると、第7位となっており、国家レベルの支援を行っていることが明らかになった。PEPFARにおいては、2014年に西アフリカ諸国に蔓延したエボラ熱に対する対策を含むので、喫緊の国際保健課題としての2014年のエボラ出血熱におけるアレン財団の役割について調査し、2015年11月の米国NPO学会にてポスター発表を行った。ゲイツ財団もエイズ対策と同様にエボラ出血熱への支援を実施していたが、アレン財団の資金援助額がゲイツ財団を上回る結果となった。米国財団センターに2016年度に実施予定のインタビュー調査対象財団のエイズ支援状況について調査を行った。財団により、エイズ支援額を減額している財団も明らかになった。2015年9月中旬には、米国の研究協力者とワシントンDCにて今後の研究内容の打ち合わせを行うことが出来た。 主に、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の国際保健外交における役割について調査し、国際NPO学会(2015年8月)、国際開発学会(2015年6月)、米国NPO学会(2015年11月)で発表を行った。 初年度の文献及びデータ調査を基に、米国大統領緊急エイズ救済計画(PEPFAR)に関連する米国の民間財団を対象に、米国法人 日本国際交流センターの保健外交専門のシニア―アソシエイツの協力を得て、インタビュー調査を行い、官民連携の実態と民間財団の米国保健外交政策への影響を分析し、口頭発表及び論文発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は、米国ワシントンDCの財団センターおいて、2016年度に実施予定のインタビュー対象財団のデータ調査を行うことが出来たとともに、国際保健外交に関する文献調査を行うことが出来、おおむね順調に進展している。米国の研究協力者と逐次連絡を行っており、2016年度の米国における民間財団へのインタビューの日程を計画する予定し、実際にインタビューを始める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、米国大統領緊急エイズ救済計画(PEPFAR)に関する感染症対策支援を行っている米国財団へのインタビューを調査を5つのクライテリアを基に実施する。5つのクライテリアは以下の通りである。(1)政策策定機能、(2)財政的支援機能、(3)情報共有機能、(4)委員会参加機能、(5)オブザーバー機能である。米国の研究協力者とともに、本インタビュー調査を実施する。 引き続き、国際学会等で口頭発表を行うとともに、論文として調査結果の中間報告として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
計画通りに研究は進んだが、最近の米国財団の保健外交政策におけるデータ調査に重点を置いたために、2015年度末に予定していた米国議会議事録調査をする必要がなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度の米国研究協力者とのインタビュー調査の旅費等または国際保健外交に関する書籍購入に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)