2015 Fiscal Year Research-status Report
観光立国による経済発展の可能性に関する経済理論の構築およびその実証
Project/Area Number |
15K13015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳瀬 明彦 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10322992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市田 敏啓 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (80398932)
藤井 孝宗 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (90317280)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非貿易財 / 観光交易条件効果 / 観光インフラ / 観光部門の環境汚染 / エコ・ツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「観光産業をサービス貿易の一形態として国際貿易モデルに取り入れた経済理論を構築し、観光産業の発展およびそのための政府による諸政策が経済に与える影響を明らかにする」ことであるが、この点に関して平成27年度は以下の研究成果を得た。 観光インフラ資本の蓄積を伴う動学的貿易モデルを構築し、観光の拡大(外国人観光客の非貿易財需要)がインフラ資本の水準や経済厚生に与える短期的効果および長期的効果について理論的に検討した。研究成果をまとめた論文は査読付き国際学術誌に掲載されているが、この研究の日本語による解説論文が書籍の中の一章として掲載された。 観光部門で環境汚染が発生する状況を想定した貿易モデルを構築し、貿易政策や環境政策が環境汚染水準および経済厚生に与える影響について理論的に検討した。研究成果をまとめた論文を査読付き国際学術誌に投稿し、修正のうえ再投稿の要請を受けたので、再投稿を行った。 また、新たな研究トピックとして、エコ・ツーリズムの経済分析を考えており、理論モデルの構築と分析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動学的貿易モデルを用いた観光インフラの理論分析については、日本語による解説論文が公刊された。観光と環境汚染に関する理論分析についても、国際学術誌に投稿し、修正のうえ再査読という判断を受けたので、修正および再投稿を済ませた。
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Strategy for Future Research Activity |
観光と環境汚染に関する理論分析について、投稿中の論文の査読結果によっては更なる改訂が必要となるが、その場合は論文の修正を最優先にし、年度内の論文掲載を目指す。 新たな研究トピックであるエコ・ツーリズムの経済分析については、国内外での学会および研究会での報告を通じて、論文の完成および学術誌への投稿を目指す。論文の投稿に際しては、ネイティブスピーカーによる論文の英文校正を依頼する。 研究分担者との連絡を密に取り、観光のミクロ経済分析と実証分析についても研究報告および論文の作成を進める。 論文作成と並行して、関連分野において優れた業績をあげている研究者を招聘し、研究セミナーを開催する。招聘研究者およびセミナー参加者との意見交換を通じて、研究の方向性・発展性について多面的に検討する。
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Research Products
(1 results)