2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and extraction of characteristic vibrations in fluctuations of industries' production index
Project/Area Number |
15K13019
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鳥居 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (40164066)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 循環的変動 / 企業間関係 / 産業連関表 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個別市場における生産活動等の変動において固有振動が存在し得ることを説明し、固有振動と考えられる成分を、特定市場において観測されたミクロ・データから抽出する方法を考案し、確認することを目的としている。このため、理論モデルの構築、企業間関係のネットワークとの関係における分析、特定産業における固有振動成分の抽出を試みた。 本年度は理論モデルを組み替え企業・事業所の生産計画の構築の段階で生じると予想される循環的変動に着目した。企業の生産構造に凹性が存在する場合、決定論的な生産計画決定においても循環的変動を組み入れることが最適になるケースが存在することを証明した。比較的容易に企業・事業者間取引の波及する効果を組み入れることが可能であり、企業間関係のネットワークの形態との関連分析にも応用できる。 産業連関表を用いて産業内取引を指標化し、産業内で複雑な取引ネットワークが形成されている産業細分類1631 石油化学系基礎製品製造業および1632 脂肪族系中間物製造業を選択した。多くの商品分野において、生産実績の変動係数が出荷高の変動係数より大きいことを確認した。生産管理においては生産水準を平準化することが目指されているとされているが、当該分野においては、かえって変動が大きくなるよう生産活動が行われている。また、生産実績月次データを離散フーリエ分析することにより、出荷高の循環的変動に起因しない、内生的な循環的変動を観察した。5ヶ月、10週間(2.5ヶ月)の周期に対応する循環も観察できることがある。これらの事実は、理論モデルの予測する循環的変動と矛盾しない。企業間・事業所間取引関係における、循環的変動の干渉についての理論モデルの予想も、企業間取引相関データの分析によって産業分類細分類として集計された状態ではあるが、肯定的に確認された。実証分析の成果は論文化の過程である。
|
Research Products
(1 results)