An investigation of laboratory management

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K13029
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 谷口 勇仁 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (60313970)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩田 智 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (00232679) ; 小田 寛貴 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 助教 (30293690)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: ラボラトリーマネジメント / 経営管理 / 大学院理系研究室 / PI

Outline of Annual Research Achievements

本研究は，大学院理系研究室のマネジメント，すなわち「ラボラトリーマネジメント」について，国立大学院理系研究室を対象とする詳細な定性的調査に基づき，実証的に解明することを目的としている．最終年度にあたる平成29年度の研究実績の概要は以下の2点である．
第1に，ラボラトリーマネジメントを取り巻く環境の変化について検討を行なった．検討の結果，①大学院重点化に伴う他大学出身の大学院生の増加，②グローバル化に伴う留学生の増加に伴い，ラボラトリーのメンバーの多様性・流動性が以前より高くなっていることが明らかになった．
第2に，昨年度に引き続き，ラボラトリーマネジメントに関連する先行研究の整理と大学院理系研究室のPI（Principal Investigator）へのインタビュー調査を基に，大学院理系研究室のマネジメントにおける特徴を調査した．調査の結果，ラボラトリー組織は上記のように少人数で流動性の高い組織であることから，「制度の構築（どのような制度を構築するか）」よりも「制度の運用（どのように制度を維持するか）」のほうが重要であることが明らかになった．例えば，研究進捗ミーティングという制度を構築しても，多様性・流動性の高い組織においては，研究進捗ミーティングを組織のルーチンとすることは困難である．そのため，PIが制度の運用に関心が無いなど，制度の運用に問題があれば，制度は容易に形骸化してしまう．したがって，ラボラトリーマネジメントにおいては，PIによるリーダーシップ行動が重要である可能性が示唆された．