2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K13030
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西條 美紀 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (90334549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 将晴 東京工業大学, 大学院イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (60376499)
藤村 修三 東京工業大学, 大学院イノベーションマネジメント研究科, 教授 (90377044)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イノベーション知覚属性 / エコカー / 燃料電池 / 採用者特性 / 水素ビジネスエコシステム検討会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はイノベーション普及理論に基づいた燃料電池の社会受容性の調査研究についての検討と「水素ビジネスエコシステム検討会」の開催による情報収集の2つの柱をたてて研究を行った。 水素・燃料電池技術の社会受容性を調査するためには、ユーザーがこの技術のイノベーション特性をどのように知覚しているのかを知る必要があるが、これら技術はBtoCの普及段階になく、直接的にイノベーション知覚特性を調査することができない。そこで、今年度は、エコカーという観点から見て、燃料電池車の前段階にある電気自動車のイノベーション知覚特性についてのネット調査を28年度に行うことを目指して先行研究の調査、質問紙の検討を行った。 「水素ビジネスエコシステム検討会」は、27年度に4回開催し、M7クラスの直下地震における東京の被害想定、復興のシナリオ等の検討を行うとともに、現在の水素ステーションの配置状況や整備計画のシュミレーション等について情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、イノベーション普及理論に基づいた燃料電池の受容可能性調査の必要性についての論文を、日本における燃料電池技術研究のトップジャーナルである「燃料電池」Vol.15(3)に発表した。この論文の読者から、燃料電池技術のユーザーに対する調査への協力の申し出がるなど、この論文発表には一定のインパクトがあった。現在、調査実施の可能性について協議中である。しかし、いまだ極端に少数のユーザーしか獲得していない水素・燃料電池技術の知覚属性についての調査は困難であることが予想され、本技術の上位概念であるエコイノベーションの観点から電気自動車を題材にユーザーがこのイノベーションをどのように知覚しているのかを明らかにする質問紙調査を検討している。このように、困難はありつつも、代替手段を考えながら研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度はエコイノベーションの普及の観点から電気自動車を題材としたイノベーション普及研究調査をネットアンケートにより実施予定である。この知見はより進んだエコイノベーションである燃料電池車の普及にも遡及することが可能であると考えており、電気自動車と燃料電池者の技術特性の違いや必要とされるインフラの違いなども考えながら水素・燃料電池技術の社会受容性の調査をユーザーの観点から進めていく。あわせて諸外国に比して高額な初期投資が必要とされる水素ステーションの社会的価値の増進方法についても検討を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は「水素ビジネスエコシステム検討会」を4回実施し、燃料電池研究者、弁護士、自治体職員、MOT研究者と議論を重ねる中で、危機時のライフラインを強化する方向で水素・燃料電池技術を用いるためには、平時においてこれら技術のエコイノベーションとしての市場価値が十分に知覚される必要があるという結論を得た。そのため、まずエコイノベーションに対するユーザーの知覚属性を評価できる調査を行う必要があると考えたため、当初予定していた文献調査等に費用を抑制した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、電気自動車を中心としたエコカーについてのイノベーション知覚属性について調査することとした。この調査は28年度に実施し結果を出す予定であり、この次年度使用額はそのために使う。
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Research Products
(2 results)