2016 Fiscal Year Research-status Report
日本酒のグローバル展開に関する複眼的研究-現場発の理論創造-
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15K13033
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岸 保行 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50454088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜松 翔平 成蹊大学, 経済学部, 助教 (00751257)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本酒のグローバル展開 / 日本食レストラン / 海外生産 / 分類情報 / 生産情報 / 分類情報 / 適合情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、本研究プロジェクトの2年目に当たり、国内の地酒メーカーと商社、さらには日本からの輸出上位国での調査を実施した。 具体的には、地酒メーカーの調査では、主として輸出を始めるきっかけから、現在の輸出状況、さらには現在抱えている問題点などをヒアリングすることで、輸出開始時期から現在までの輸出の概略について基礎的なデータを収集した。 商社へのヒアリングでは、多くの銘柄を扱う中で、銘柄ごとの違いを顧客にどのように伝えているのかについてヒアリングをおこなった。 平成28年度の一つの大きな目的は、日本からの日本酒輸出上位国での市場調査と現地生産拠点の調査であった。結果、今年度は、中国・香港・アメリカ・台湾・タイの5つの国と地域で調査をおこなった。アメリカ・台湾では、市場調査に加えて、現地で生産される清酒の調査もおこなった。 上記の調査から、以下のような7つの知見を得ることができた。(1)日本からの日本酒輸出が増加している、(2)海外生産の日本酒の消費と合わさって海外での需要は増えている、(3)日本酒の消費拡大は、量的な拡大とともに、質的な多様化をもたらしている、(4)量的拡大は、レストランという消費チャネルの拡大が背景にある、(5)質的多様化は、レストラン間での競争によって生み出された、(6)質的多様化の背後には、消費者のワイン消費のスタイルの踏襲がある、(7)こうした消費スタイルに合うような形で、情報の付加プロセスが構築されつつあることで、多様な消費の増加がみられるようになった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、計画通り、主要な海外市場と海外生産拠点の調査を実施することができた。他方で、日韓関係が芳しくないこともあり、韓国市場調査については延期をしている。 国内の地酒メーカーや商社への調査についても、新潟県や新潟県酒造組合からの協力もあり、順調に進んでいる。 以上のように、平成28年度も国内調査、海外調査ともに概ね順調に進展してきていると言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで国内の酒造メーカーや商社の輸出現状、さらには海外生産や海外市場の状況に関して、具体的なフィールドワークをおこない、多くのデータを収集してきた。今後は、これらのデータを整理して、現場の実態に即した日本酒のグローバル化に関する理論化を試みる。既に多くの地酒メーカーや商社と関係を構築しているため、それらのネットワークを生かして、現場発の理論創造を目指していく。
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Causes of Carryover |
会計処理が次年度にまたがってしまうため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由により、実際にはすべて使用している。
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