2015 Fiscal Year Research-status Report
震災復興のためのCRM(コーズ・リレーテッド・マーケティング)モデルの開発
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15K13035
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
馬場 新一 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (50722641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國部 克彦 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (70225407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コーズリーリレーティッドマーケティング / 災害 / 寄付、義援金 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)文献研究:コーズリレーテッドマーケティング(以下CRM)関連の書籍、雑誌、論文からCRM実施のポイントを把握し、実施企業のヒアリング項目に反映させた。震災復興学会の作成資料、兵庫県作成の震災関連冊子を入手し、災害復興に関する知識の収集を図った。 2)実態調査と実証実験に関する企業の意見を聴取:★CRMの実態調査として、企業でCRMの企画セールを実施した実績のある5社からヒアリングを行った ①ワコール(ピンクリボン活動)②山崎製パン(震災復興支援)③江崎グリコ(環境寄付)④アサヒビール(環境文化遺産寄付)⑤カルビー(復興支援の環境寄付)。★被災自治体として①兵庫県、②岩手県山田町の2自治体とヒアリングと意見交換を実施。復興支援物資品目や輸送、時期などの情報を得た。★消費財メーカーとして、日本ハム、ハウス食品、江崎グリコ、カルビー、アサヒビール、製造卸事業のタビオ、流通事業者としてコープこうべから意見聴取。小規模の実験では、流通事業者が参加を呼び掛ける必要があることが分かった。★ほかに広報に関して、日本広告審査機構およびACジャパンとも意見交換を実施。 3)寄付金額:ヒアリングと文献から、消費者負担は求めず、企業の寄付のみで進めることにする。提供先については、義援金で渡すか、モノやコトの提供にするかも視野に、被災地自治体と協議することが現実には使い勝手が良いとの意見を聴き取っている。 4)ネーミング:商標として登録性のあるネーミングの作成作業を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
業務計画は、平成27年度の研究実施計画に沿って、進めており、研究実績の概要で報告している通り順調に進行している。 予算計画は、商標登録などの予算実行が平成28年度になることから、執行額が予定に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
1)CRMに関する消費者意識のデータを収集 2)発生した災害を対象に実験販売を行い、実態を反映した消費者の意識調査を実施する。調査結果をもとに、実態に即した修正を加え、CRMモデルの完成度向上を図る 3)本モデル用のネーミング(キャッチコピー、図柄)作成と、商標登録 4)実験に関する情報公開用にホームページなどを開設 5)本格的な展開に向けての課題解決 ①本研究に関心を寄せる自治体や団体もあるので、復興庁や地元自治体連合などと共同できないか検討し、公共性の高い取り組みにする。②災害発生時にCRMに参加してくれる企業を選定する。企業への呼びかけ、説明会の実施などで、信頼性の高い企業の参加を求める。
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Causes of Carryover |
商標(ネーミング)の調査、登録の費用見込み額 800,000円が未使用のため。 当初予定していた商標を調査したところ、登録性がないことが分かり、商標の作成をやり直しているため時期が2年目になる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年4月に、商標の候補を絞り、登録の可能性を調査する。登録可能であれば、商標の登録申請を行う。平成28年度中に費用が発生する見込み。
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