2016 Fiscal Year Research-status Report
美しさを競争力とする事業モデルの探求ーデザイン・コミュニケーションとマネジメント
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15K13045
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
井村 直恵 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (10367948)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | デザインマネジメント / デザイン産業 / 和装産業 / 美しさ / 感性 / 京都 / イケア / 北欧デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、第1に、研究者が在住する京都が近年インバウンドの観光客からの注目が高いことから、京都が産出する美しさ、について、建仁寺、和装業界などへのヒアリングを実施した。建仁寺などでは、単なる写実的な美しさ、だけが求められている訳ではなく、「ZEN」体験を通じた、作法も含めた「美しさ」が国際的には「美しい」と感じられている。このように、美しさとは単に写実的な感覚だけに留まらず、歴史的背景等も踏まえたストーリーとしての深み、も含んでいる点が示唆される。国際比較を目的として、香港でもデザインハウスを訪問し、香港・中国で活躍する芸術家へのヒアリングも実施した。文化とデザインの関係については、イケアとスウェーデンについての書評を記した。第2に、和装産業についての調査を実施した。大島紬、加賀友禅、京友禅の工房等を訪問し、デザインプロセスの深化等について見学とヒアリングをさせていただいた。大島紬の工程では、美しいデザインが単にデザイン力ではなく、織物・染色技術の向上と関係している。技術面での違いは、京友禅ではインクジェットプリンターの普及が企業間の協業関係に大きな変化をもたらしている。こうした視点については、テレビ金沢に取材され、放送された。第3に、美しいデザインについてのワークショップを開催した。その内容は今後論文としてまとめる予定である。 このように、従来の研究の方針をさらに深める視座が得られたため、今後モデルを修正し、調査を深めて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワークショップの結果、美しいデザインの特性として興味深い仮説が得られた。また、研究計画段階で想定していた分析モデルについても、新たな視点が得られたため、修正して調査を続ける。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施したワークショップの内容を論文にまとめて発表する。本研究で提案する分析モデルを、本年度の研究結果から一部修正し、デザイン産業での調査を深めるために、海外での調査を実施する。
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Causes of Carryover |
訪問先との日程調整が合わず、次年度に訪問予定となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度4月ー5月にかけて、北欧での調査を実施する。
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Research Products
(1 results)