2016 Fiscal Year Annual Research Report
An empirical study on capital market administration and accounting policy based on long-term financial data
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15K13060
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
薄井 彰 早稲田大学, 商学学術院(ファイナンス研究科・センター), 教授 (90193870)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 会計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はわが国の会計基準設定権限の源泉を調査した。成蹊大学図書館黒澤文庫の「企業会計基準法」の6つの草案を解析し、「企業会計基準法」の構成および目的,会計基準の役割ならびに会計基準委員会の行政機能を明らかにした。「企業会計基準法」は、1949年1月28日付の経済安定本部財政金融局案までは、企業会計基準を法案のなかに組み込んでいた。1949年2月8日付の経済安定本部財政金融局案および1949年3月30日付の経済安定本部最終案は、これらの会計基準を本案に含まず、会計基準設定権限の付与と設定主体の設置を目的とする組織法に変容した。「企業会計基準法」は、1949年3月30日案の「企業の会計を合理的にするため、企業会計に関する基準を設定し、維持し、且つ、これに関する行政の調整を行うことを目的とする」ことであった。この法律は、経済安定本部が企業会計基準および企業会計監査基準の設定、ならびに関係する各行政機関の総合調整を行うことと、「企業会計基準審議会」が「企業会計基準法」を根拠として設置することを意図していた。最終的に経済安定本部は「企業会計基準法案」を国会に提出することができなかったが、経済安定本部措置法を一部改正することによって、会計基準を設定する権限を得た。各省庁は経済安定本部だけが会計基準を設定することを合意した。大蔵省、その後金融庁はこの合意を継承し、経済安定本部の「会計基準法案」で構想された会計基準設定権限と相互調整機能が、わが国の会計制度設計の基礎となっていることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)