2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K13069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 亮 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00214677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 光一 関東学院大学, 経済学部, 教授 (30329205)
猪瀬 優理 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (60455607)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 宗教的体験談 / クラス図 / ステートマシン図 / UML |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は2人の研究分担者に加え、このテーマに関心のある研究者1名とも共同して、6回の研究会を開催した。検討内容はUMLで体験談をいかに図示するかについてである。UMLにもさまざまなツールがあるが、27年度に引き続き、クラス図、ステートマシン図を中心に検討し、宗教的体験談を表すに際しては、クラス図とステートマシン図が適切であろうという結論に達した。 そして、さまざまな体験談の中で、これまでの教団の発行する紙誌などに取り上げられた5つの体験談を例として、クラス図の属性、操作を絞り込んでいった。この作業を行うに際して、当初はUMLのツールをastah*community 7.0を使用していたが、より機能の優れたEntrerprise Architect12.1を購入し、これを用いて作業することとした。そのために科研のメンバーが全員で、Entrerprise Architect12の講習会に参加し、その機能について、講習を受けた。 これらの経緯を経て、Entrerprise Architectでクラス図、ステートマシン図によって、宗教的体験談のモデルケースを記述できる原型を検討していった。 これらの検討とともに、体験談について、何が重要であるかという議論を行ってきた。宗教的体験談については、認識や意識が変容することが重要であり、その変容のパターンを考えてきた。認識が変容することが、クラス図の属性の一部が変化することであり、どの属性の変化を捉えるべきかが議論された。また、有意味な変化はステートマシン図でどのように示されるべきかについても議論がなされ、とくにトリガーについて、検討が行われた。 以上の点を踏まえて、宗教的体験談のモデル化が進められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はUMLのソフトを用いることが不可欠である。そのソフトを28年度途中にastahからEntrerprise Architectに変更したため、Entrerprise Architectの習熟に少し時間を要した。そのためにクラス図やステートマシン図に記述することに時間を要したが、研究分担者、協力者の努力により、概ね順調にUMLで記述できるようになり、研究全体もおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは既存の教団紙誌に掲載された体験談をUMLで表すことを中心に研究を行ってきたが、昨年度でモデルは一応の完成をみたので、今年度は、その宗教的体験談のモデルを元に、質問項目を明らかにした半構造化インタビューを行うことが目的となる。 このモデルを元に、インタビューの質問項目を作成する。そして、このインタビューの対象者を探す。その際には宗教熱心な人、それほど熱心ではない人などできる限り多様な人を対象に含めてインタビューする。そしてその結果からさらにモデルを改善していく。
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Causes of Carryover |
UMLソフトを当初のastahからEnterprise Architectに変更したため、予定よりもモデルの第一次完成が若干遅れた。そのために当初28年度に計画していたインタビューが29年度に延期となり、その費用が次年度使用額となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額によって、インタビューを行う。対象者は宗教熱心な人やそれほどでもない普通に近い人までできるだけ多様な人を選び、これまでUMLで作成したモデルに基づいて、質問項目を作成し、半構造化インタビューがうまく行えるかを検証する。また、ここで集められたデータを用いて、さらにUMLのモデルの改善を図り、よりよいモデルを作成する。
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