2015 Fiscal Year Research-status Report
過疎地域等で暮らす精神障害者に対する精神保健福祉士の訪問相談援助の評価指標開発
Project/Area Number |
15K13089
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
高木 健志 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (40413512)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 過疎地域等 / 中山間地域等 / 訪問支援 / 精神保健福祉士 / 指標開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、過疎地域等で暮らす精神障害者に対する精神保健福祉士の訪問による相談援助の評価指標の開発を目的とした。過疎地域等の多くは交通を含む社会資源に乏しいことから、過疎地域等で暮らす精神障害者の生活支援には、精神保健福祉士が訪問することによる支援が有効な手立てとなると考えた。そこから、過疎地域等で生活する精神障害者の生活の場に訪問を用いて精神保健福祉士が相談支援を行うこと、また精神保健福祉士にとって過疎地域等への訪問による支援の能力の向上は、過疎地域等における精神医療福祉問題に対する有効な一つの支援策に結びつくと位置づけた。 そこで、まず研究初年度である今年度は、中山間地域等に関する文献研究ならびに精神科領域における訪問型支援に関する文献研究の取り組み、実施することができた。そして、訪問型支援の一つとして精神科訪問看護に注目し、精神科訪問看護を専門に実施している事業所において聞き取りを行った。そして、精神科訪問看護に従事した経験を持つ精神保健福祉士への聞き取り調査を実施することができた。また、過疎地域等特有の訪問相談支援における訪問型支援について明らかにするために、中山間地域等を担当する保健師から中山間過疎地域等における訪問型支援の実際について聞き取りを行うことができた。 今後は、現在進めているデータ分析と同時に発展的調査を実施していく予定としている。さらに、これらの調査結果をふまえて、精神保健福祉士による過疎地域等における相談支援の評価指標について取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訪問型の支援に関する文献研究についておおむね順調に実施することができた。精神科訪問看護について計画していた聞き取り調査については、おおむね順調に実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に則り、調査や調査の分析を行っていく予定である。また並行して、新たな調査実施を展開していくとともに、初年度実施までには至らなかった国立国会図書館等における文献研究についても取り組んでいく予定である。また、調査では、当初熊本県内の精神科医療機関に勤務する精神保健福祉士に協力を得る予定であったが、熊本地震による影響を考慮し、場合によっては、年度を繰り越すかもしくは、新たな地域から協力を得て調査を実施していくこととしたい。
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Causes of Carryover |
研究計画初年度である今年度は、文献研究を位置づけ、今年度は国立国会図書館本館並びに国立国会図書館関西館におけるそれぞれの文献研究に関する複写費・旅費等一式を計上していた。本務との日程調整の結果、国立国会図書館等への調査移動の日程の確保が難しく文献研究の一部は実施できなかったため。また、東京にて精神科訪問看護を専門とする事業所に勤務する専門職を対象にインタビュー調査を行う予定であったが、調査者と調査対象者との日程調整の結果、次年度に繰り越すこととなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画初年度である今年度は、文献研究を位置づけ、国立国会図書館本館並びに国立国会図書館関西館におけるそれぞれの文献研究に関する複写費・旅費等一式を計上しており、次年度に文献研究を実施していくことための日程調整を行っている。また、東京にて精神科訪問看護を専門とする事業所に勤務する支援者からインタビュー調査について実施していくための日程調整を行っている。
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