2018 Fiscal Year Annual Research Report
Orientation and mobility training method that uses the five senses for people with vision impairment
Project/Area Number |
15K13093
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 信行 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30433478)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 視覚障害者 / 五感 / 歩行訓練 / 嗅覚 / 聴覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は視覚障害者の嗅覚に関して、晴眼者との比較実験を中心として活動を行った。 視覚障害者の被験者3名、晴眼者の被験者6名の計9名に対して実施した。 本年度の研究では、視覚障害者と健常者との嗅覚の比較について、パネル選定試験の試薬である、T&Tオルファクトメーター試薬の5種類のにおい物質と濃度を基準臭として使用した。においの質について、Aはβ-フェニルエチルアルコールで「花のにおい」、Bはメチルシクロペンテノロンで「甘い焦げ臭」、Cはイソ吉草酸で「腐敗臭」、Dはγ-ウンデカラクトンで「熟した果実臭」、Eはスカトールで「糞臭」、となっている。これらのにおいに関して、5本のにおい紙の中から、においの付いた2本のにおい紙を選び出すという「5-2法」を利用した。すべて正解の場合は「〇」、1試薬間違いの場合には再試験を実施し、再試験で、間違えた基準臭で2回試験を行い、2回とも正解だった場合には「〇(合格)」として取り扱っている。また、2試薬以上間違いだった場合には「×(不合格)」とした。 被験者は視覚障害者であるが、全員が5つの基準臭に関して「〇(合格)」となっている。しかも、すべて正解で合格した。一方、晴眼者の被験者は、再試験で合格したケースもあり、特にDのγ-ウンデカラクトン「熟した果実臭」に関しては、被験者6人中5人が不合格という結果だった。 その他、Bのメチルシクロペンテノロンに関しても、晴眼者の被験者は不合格が2名おり、腐敗臭や糞臭に関する、イソ吉草酸やスカトールでも不合格者が出る結果となった。今回の結果では、視覚障害者の被験者は少数ながらも、晴眼者の被験者より嗅覚の感度が高い結果となっていた。
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