学童保育の「質」の検証・評価の手法開発に関する試行的研究

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K13110
• Research Institution: National Institute for Educational Policy Research
• Principal Investigator: 橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (80189480)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 学童保育 / 学童保育所 / 評価 / 史料

Outline of Annual Research Achievements

本研究においては、代表者が学童保育研究者、学童保育指導員、学童保育利用者組織との協働によって、小規模ながら試行した学童保育のいくつかの「質の評価」（保育の質の量的な評価・質的評価の双方を含む）を、規模や対象を拡大して追実施して、評価法としての妥当性を検証するものである。
Ⅰ．活動組織づくり：昨年度までの組織に加えて、関西地域で学童保育研究に取り組む、山本冬彦・関西大教授、堀智晴・大阪市立大学元教授らとの連携を進め、在京のＮＰＯ法人や民間企業関係者とも連絡しあいつつ、数次の研究会を開催した。
Ⅱ．「児童在籍状況調査」（通称「学童保育所のやめない率」）の研究の可能性については、当初の予定を変更した。すなわち、2015年度の日本学童保育学会の発表時に、「やめない率」研究に大いに期待する意見が出た一方で、この調査を大規模に実施することによる現場への悪影響を懸念する声（＝やめない率の一人歩きや誤解・誤用による学童保育指導員の士気喪失等の副作用への懸念）が出た。このため、国内において「やめない率」を称する研究は凍結することにした。他方で、米国の学会や学童保育団体関係者からの照会や賛同意見をも得ていたため、Ｈ２８年度には渡米して意見交換と、試行調査をする予定であったが、代表者の家庭の事情から、延期を余儀なくされた。
Ⅲ．協力者の及川房子氏の20年以上に渡る実践史料の仮整理を完了し、史料の仮目録を作成した。
Ⅳ．協力者の及川房子氏の実践、および姫路市立飾磨学童保育所（どんぐりクラブ）の実践資料を調査して、学童保育所の評価に関わる視点や指標についての考察を進めた。
Ⅴ．民間委託事例調査として、東京都小金井市の業務委託の経緯に関する情報を収集した。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Ｈ２８年度は、代表者の実家の事情が理由で、研究の遂行が一部困難になった。予定通りに遂行できなかったのは、
１）米国の学会や学童保育団体関係者との情報交換、
２）協力者の及川房子氏の20年以上に渡る実践史料の目録の刊行、
３）研究のまとめの執筆

Strategy for Future Research Activity

遅延を挽回するために、計画期間を１年延長して、外国情報交換と、実践史料目録の刊行、研究まとめの執筆と発表を平成２９年度に実施することとした。

Causes of Carryover

理由は「現在までの進捗状況」に記した遅延理由と同じである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

使用計画は「今後の推進方策」に記した通りである。