2015 Fiscal Year Research-status Report
日本生まれの定住外国人幼児の認知発達の特徴:子どもの育ちに合った支援を目指して
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15K13128
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松井 智子 東京学芸大学, 国際教育センター, 教授 (20296792)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 定住外国人子弟 / 言語発達 / 認知発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近年国内でも増加傾向にありながら、これまで実証的研究がほとんどなされてこなかった定住外国人子弟の乳幼児期の言語および認知発達の特性を明らかにし、就学後の学校適応との関連を検証することから、エビデンスに基づく教育現場での支援につなげることである。とくに、①定住外国人子弟の就学前の言語・認知能力、社会的スキル、家庭生活環境のプロフィールを質問紙、会話データ分析、実験により明らかにすること、②そのプロフィールと参加児童の就学後の学校生活への適応および日本語の学習成果との間に一貫性があるかを検証し、その結果を教育的指針となり得る提言としてまとめることの二つを柱とするものである。 平成27年度は、国内の定住外国人の中で人数が最も多い日系ブラジル人児童と日本人児童を対象に、言語発達調査、心の理論などの社会性発達調査、実行機能発達調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ブラジル人児童と日本人児童の発達調査を実施することができ、結果をまとめるところまでできたことから。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年収集した調査結果を論文化し、投稿することを予定している。さらにブラジル人児童の言語認知発達と家庭環境の関係を調査するため、質問紙による調査と母子の絵本読みの様子をビデオにとり、分析する計画である。年度末には学会発表を予定している。
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Causes of Carryover |
平成27年度に予定していた調査のうち、参加者の都合で自然会話データ収集を実施することができなかったため、28年度に持ち越された。そのため、自然会話データ収集で必要となる実験補助者の旅費、および実験補助者と書き起こし担当者の謝金分が次年度に使用されることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度前期に自然会話データ収集と書き起こし、後期に分析を実施する計画である。それぞれの作業担当者の謝金はそれに合わせて支払われることになる。
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Research Products
(2 results)