2016 Fiscal Year Research-status Report
認知症と告知された高齢者への心理的アプローチ:関係性に着目して
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15K13149
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Research Institution | Jin-ai University |
Principal Investigator |
水上 喜美子 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (00387408)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知症告知 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者の介護は、本人の苦痛や不安に加え、介護者にも多大な精神的及び身体的負担をもたらすため、認知症は二人の病人をつくるとも言われている(木村・相場・小泉、2011)。つまり、認知症の人やその家族の心理を理解するためには、個人が環境とのかかわりの中で生きていることを視野に入れて検討する必要があると考える。また、認知症は関係性の障害ともいわれ、介護者と当事者との相互作用の中で問題が生じやすく、さらに関係性の悪循環によって問題がエスカレートしていくことが推察される。これまで、認知症当事者や認知症介護者の心理的プロセスについては明らかにされてきたが、二者の関係性の中でどのような心理的な変化が生じるのかという点については明らかにされていない。 そこで今年度は、認知症高齢者とその家族を対象に面接調査を実施した。 認知症と告知を受けた直後の方への調査は難しく、今年度は病院に入院中の方を対象とした。当事者への面接調査では、認知症という病に対してどのように感じているのかについて尋ねた。また、認知機能検査として日本語版COGNISTAT認知機能検査を実施した。家族に対しては、現在の介護者としての想いやどのようなことに困難さを感じているのかについて尋ねた。協力してくれた家族介護者は、当事者の実子や配偶者、嫁と異なっており、当事者との関係性によって語られる内容が異なることが印象的だった。今後、これらのデータを逐語化し、内容の分析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、計画通り調査協力者を集めることができなかった。今後、協力機関と連携し、調査依頼をしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに協力者を募り面接調査を実施し、その後、面接データの逐語録化を行い、分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
面接調査が、計画通り実施することができなかったため、質問紙調査の準備・実施まで進めることができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
テープ起こしに計上していた予算については、今年度使用する予定である。また、面接調査の内容を分析し、質問紙調査の準備をしていく計画である。
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Research Products
(2 results)